スマートメーターって何?――電力メーターが賢くなります(上)

ほとんどすべての世帯にありながら、普段は全くその存在を意識していないもの…。電力メーターはそのような存在だと思います。ところがその電力メーターに世界中で大きな注目が集まっています。一体何が起ころうとしているのでしょうか。

スマートメーターの出現

電力メーターはほとんどすべての家庭に設置されていて、その世帯普及率は、電話・携帯電話を超えています。
電力メーターは、その登場以来100年近くにわたって基本的な計測技術は変化していませんでした。ところが、ここ10年ほどの間に、計測のデジタル化や計測データの伝送機能の高度化・遠隔での検針の仕組みの開発などの技術革新が図られ、現在では双方向通信が可能で電力メーター間及び家電などの他の機器との通信が行える機器が実用化されています。このような電力メーターは「スマートメーター」と呼ばれ、欧米の有力電力会社により本格的な導入が始まっています。

スマートメーターの活用が拡がっていきます

このスマートメーターの登場によって何が変わるのでしょうか。まずは検針データを通信によって収集すると検針作業の効率化があげられます。しかし、既に検針員の巡回による高度に効率的な仕組みができあがっている日本においては、業務の効率化だけではスマートメーターを導入メリットはあまりありません。では、何が注目されているのでしょうか。それは、双方向の情報のやりとりが可能な機能により家庭との新しいコミュニケーションを拡げる可能性があることです。

例えば、スマートメーターによる時間帯別、利用機器別のきめ細かい電力消費量が、わかりやすい情報として利用者に提供されることによって、家電などを利用するパターンを見直し、各家庭におけるコスト削減と省エネに繋がる可能性もあります。また、電力会社側としても、きめ細かく柔軟な料金メニューの提供が可能となり、結果としてピーク時間帯の電力需要をオフピーク時間帯の需要に誘導していくことにも繋がります。例えば、電力利用のピーク時には自動的に家庭やオフィスの空調の設定温度を変更する機能を持たせることで(これは空調機器側の対応も必要になりますが)、ピーク時間帯に使われる石油の消費量を抑制し、社会全体の省エネを推進する可能性をもっています。

私たちの気がつかない身近なところから、社会が変わろうとしているのですね。

スマートメーターの導入で…

参考:野村総合研究所 「NRI Management Review」Vol.20 2008
「電力メーターによる顧客接点の変革と新たなビジネスチャンス」
掲載日:2009/09/17
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