NEWS RELEASE
「2010年、日本の未来を提案します。」
モバイルソリューションは1兆7,011億円、薄型テレビは17兆6,450億円市場に
~2010年までの国内IT主要市場の規模とトレンドを展望(2)~

2005年12月15日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2010年までの国内IT主要7市場の市場分析および市場規模予測を行いました。第二弾として今回は、携帯電話市場4分野、eビジネス・ライフ市場6分野、プラットフォーム市場5分野、ハード市場9分野の2010年までの市場規模予測結果を発表します(各分野の定義は参考資料をご参照下さい)。ブロードバンド、放送、セキュリティの各市場規模予測は12月7日に公表済みです。


● 携帯電話、eビジネスライフ、プラットフォーム各市場の予測
(単位:億円)
市場・分野   2005年度 2006年度 2010年度
携帯電話市場 モバイルキャリア(注1) ケース1
ケース2
69,000
69,000
70,200
68,800
70,200
63,300
モバイルプラットフォーム 387 645 2,732
モバイルコンテンツ 2,930 3,210 3,580
モバイルソリューション 4,721 6,460 17,011
eビジネス・ライフ市場 BtoC EC 36,000 41,000 56,000
CtoCネットオークション 11,400 16,200 28,000
オンラインゲーム 850 1,130 2,370
音楽配信(※) 106 170 570
ネット広告(※) 2,650 3,590 6,430
eラーニング 760 850 1,290
プラットフォーム市場 電子認証 253 292 531
課金・決済 1,510 1,640 1,960
ICタグ 275 370 1,207
ICカード 367 464 675
企業通貨 596 628 700

(注1) 年度ベースではなく年ベース。ケース1はARPU(平均利用料)の低下速度が遅くなり
前年比-3%で推移する場合。ケース2は料金競争により-5%で推移する場合
(注2) ※の数値は、年度ベースではなく年ベース


 携帯電話市場は、2006~2007年にかけて、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度導入、仮想的移動体通信事業者(MVNO)を含む新規事業者の参入、固定通信と移動通信の融合の進展、携帯電話向けデジタル放送の開始と、大きな不連続点を迎えます。このような市場環境の下、2005年度に6兆9000億円であったモバイルキャリアの電気通信事業収入は、競争による料金値下げなどの影響により、2010年度には約6兆3,000億円に縮小すると予測されます。しかし一方で、2004年度におよそ3,000億円の規模であったモバイルソリューション分野は、モバイルセントレックス導入やBtoC企業のモバイルサイト構築などの立ち上がりにより、2010年度には約1兆7,000億円規模にまで市場が拡大すると予測されます。

 eビジネス・ライフ市場では、BtoC EC、CtoC ネットオークションが生活者に浸透しつつあります。特にCtoC ネットオークション分野は、2004年度でEC市場の32%に相当し、2010年度には2005年度比2.5倍の2兆8,000億円規模になると見込まれます。
 さらに成長が著しいのは、音楽配信分野でしょう。ユーザーにとって利便性の高い端末(携帯電話やiPodなど)の登場と、事業者がコンテンツ確保から配信および利用端末まで垂直統合的に管理するビジネスモデルを確立したことが、急成長の背景にあります。2005年度の106億円から2010年度には570億円と約5.3倍に市場が拡大すると予測されます。

 プラットフォーム市場においては、課金・決済分野が、電子マネーの利用機会拡大とともに、2005年度の1,510億円から、2010年度の1,960億円市場に成長する見込みです。また、ICタグは、着実に実用化の段階に移行しつつあります。特定企業内だけでなく、複数企業間での利活用が始まるであろう2008~2009年が、市場の大きな転換期となるでしょう。業界仕様の標準化が順調に進めば、ICタグ分野の市場規模は、2005年度の275億円から2010年度の1,207億円まで増加すると予想されます。
 このような市場の拡大に対応して、非接触ICカード搭載型携帯電話の個人IDや、ICタグのついた物品IDを、企業がマーケティングやプロモーションに活用する動きが今後進むと考えられます。




● ハード市場の予測
(単位:億円)
分野 2005年度 2006年度 2010年度
PC 16,963 16,599 15,797
車載情報端末 3,285 3,336 3,104
薄型テレビ(※) 86,320 115,880 176,450
ハードディスクレコーダー 2,666 2,836 3,055
ロボット 149 195 576

 
(単位:千台)
分野 2005年度 2006年度 2010年度
デジタルカメラ(※) 63,900 71,500 76,000
分野 2005年 2006年 2010年
携帯電話端末(注3) 第2世代
第3世代
20,900
26,900
11,300
37,500
1,600
48,600
ゲーム機(据置型)(※) 14,390 18,630 25,250
携帯オーディオプレイヤー(※) 64,002 65,768 70,725

(注1) 日本の携帯電話端末の需要台数
(注2) ※の数値は、国内メーカーの世界市場における金額規模または出荷台数


 ハード市場は2010年に向けて順調に成長する見込みです。特に薄型テレビ分野は、世界市場において2005年度の8兆6,320億円から2010年度には17兆6,450億円、出荷台数にして9,000万台程度に成長すると予測されます。ただし、デジタル家電特有の価格下落の影響で、このままいけば2010年頃には市場の成長は鈍化すると見られます。
 また、音楽配信サービスをハードウェアの販促手段として活用するビジネスモデルの成功にならい、日本の総合エレクトロニクスメーカーが、サービス、コンテンツとハードウェアを組み合わせることによって、市場を発展させる可能性もあります。

 今回のIT市場予測は、2000年、2001年、2003年、2004年に次いで5回目になります。IT市場を取り巻く環境変化はめまぐるしく、技術革新による新しいサービスやプレイヤーの出現によって、市場予測の前提条件が変わってしまいます。そのため、NRIでは予測の改訂作業を適宣進めています。
 なお、今回の予測結果の詳細は、12月下旬に東洋経済新報社から発行予定の単行本『これから情報・通信市場で何が起こるのか~IT市場ナビゲーター2006年版~』に収録されます。



【お問い合わせ先】
野村総合研究所 広報部 瀬戸、野村 TEL:03-6270-8100 E-mail: kouhou@nri.co.jp


2010年、日本の未来を提案します。野村総合研究所(NRI)では、2010年、さらにはその先の日本の社会・産業のあり方に ついてシリーズで提言していく、「2010年、日本の未来を提案します。」キャンペーンを、2005年9月から実施しています。このニュースリリースも本キャンペーンの一環として発表したものです。NRIの提案がきっかけとなり、日本の産業界や社会で、未来に向けた夢のある目標づくりが展開されるよう、今後も、ニュースリリース、単行本出版、セミナー開催などを通じて積極的な提案活動を推進していく予定です。


(参考資料:各分野の定義)
●携帯電話市場
モバイルキャリア 既存携帯電話事業者の総電気通信事業収入。新規参入事業者の収入は含めていない。各年の年央における契約回線数×年平均ARPU(月間平均利用料)から算出。
モバイル
プラットフォーム
モバイル決済市場、モバイル電子認証市場、それぞれの市場の積み上げとして定義。モバイル決済市場は携帯電話を利用して決済を行なった場合の手数料の積算であり、モバイル電子認証市場は携帯電話の端末認証を行なう際に発生する金額の積算である。
モバイルコンテンツ 携帯電話向けに有料でコンテンツを配信するサービスの売上。ユーザーに無料で提供されているコンテンツの市場は含まない。
モバイル
ソリューション
携帯電話での利用に強く依存しているアプリケーション開発とその保守・運用市場を対象としている。ただし、ハードウェア料金やトラフィック料金は市場に含まない。



●eビジネス・ライフ市場
BtoC EC インターネットを経由した個人向けの通信販売額で構成される市場。出張にともなう旅費や宿泊費など法人消費分は含めない。携帯電話などモバイル機器を経由した販売額を含む。ただし、自動車や不動産などで見られる、インターネットを介しての見積りや各種申し込みのように、最終意思決定や契約がネットによって完結しないものは市場規模の計算に含めない。また、オンライントレード市場、オンラインバンキング市場、およびネット配信によるデジタルコンテンツ市場(音楽、映像、eラーニング等)も含まない。競馬や宝くじなどの公営競技も含まない。
CtoCネットオークション インターネットを経由し、オークション取引を仲介するために事業者が設けた専用サイト(オークションサイト)を利用して、個人同士が行うオークション取引の総額。
市場には、(1)日本国内の利用者が、海外の事業者によって運営されるオークションサイトを利用する場合や、(2)オークションのカテゴリーに価格を指定して出品している場合(例:楽天フリマの固定価格など)を含む。ただし、(1)インターネットだけで出品者個人が出品手続を完結することが難しく、仲介業者が手続きを代行するなどBtoCの要素を含む商品である場合(例:不動産、自動車、自動二輪車など)、(2)オークションサイトを利用せずに行う場合(例:個人の掲示板・ホームページやメーリングリストなどを利用する取引など)、(3)出品者および落札者のいずれか、もしくは双方が企業である場合(例:楽天スーパーオークションなど)は含まない。
オンラインゲーム 日本国内で、携帯型を含む家庭用ゲーム機や携帯電話を利用して行うネットワークを介したゲームサービスの売上を、オンラインゲームの市場とする。ただし、家庭用ゲーム機やPCなどのハードウェアに、ネットワーク経由でゲームソフト自体をダウンロードし、それらの機器内において独立で利用する形態(ゲームソフトのノンパッケージ販売)の市場は、対象から除外している。また、ゲームセンターからネットワークを介してプレイするアーケード市場は除外している。
音楽配信 「インターネット音楽配信市場」と「携帯電話音楽配信市場」の2つからなる。「インターネット音楽配信市場」は、インターネットを経由してPCやオーディオ機器に楽曲をダウンロードするサービスに対する消費者の支払額を対象とする。また、「携帯電話音楽配信」は、携帯電話端末向けに楽曲をダウンロードするサービスへの消費者の支払額を対象とする。どちらの市場も、楽曲の配信を対象とし、カラオケ用データの配信や、「着メロ」、「着うた」などの楽曲の一部のみを配信するサービスは含まない。
ネット広告 Webサイトおよび携帯端末向け情報サイトなどでの広告掲載、および電子メールによる広告配信など、インターネットを介した広告に関連する市場を指す。ただし、サイトの制作費は含めない。
eラーニング インターネットやイントラネットを利用して行う教育システムであるWBT(Web Based Training)を対象とする。そこで利用される教育コンテンツを対象とし、システムの構築・運用・メンテナンス市場は含めない。



●プラットフォーム市場
電子認証 利用者やサーバーに電子的な証明書を付与することで認証を行うシステムの構築、および電子証明書の発行や管理(組織・法人向け、個人向け)などのサービスの市場。証明書としては、公開鍵暗号技術を用いたもののほか、ワンタイムパスワードを用いるものを含む。
システム構築には、認証機能に関連する開発・ソフトウェアが含まれる。ただし、証明書を格納、保管するためのICカード費用は含まれない。
課金・決済 企業対個人(BtoC)で行われる商取引における課金・決済と定義する。インターネットなどで商品などの購入が行われる際に、本来、第三者である決済機関が、手数料などのかたちで取引参加者から取得する金額の合計である。運送会社による代金引換サービスの手数料やエスクローサービスの利用料金などは含まない。また、実店舗でのクレジットカード、およびデビットカードの市場は含まない。
ICタグ 日本国内で利用されているICタグに関連する市場を対象とする。なお、125kHz、13.56MHzの周波数帯の電池を必要としないパッシブ型の製品ならびに電池を必要とするアクティブ型の製品をICタグとしている。ただし、FeliCaなど非接触ICカードと呼ばれる製品は含まない。
市場規模として包含する範囲は、ICタグ導入に伴うハードウェア提供、システム構築、保守・運用の3つの領域であり、それぞれの売上規模の積算として市場を捉えている。
ICカード ICカードとは、情報の記録や演算をするために、ICチップを組み込んだカード。ICカードの毎年の発行枚数と単価をかけ合わせたものをICカード市場と定義する。
企業通貨 企業通貨とは、企業が発行するマイレージやポイントなどを販促やサービスの一環としてユーザーに付与し、貨幣のように流通して利用できるものをいう。企業通貨市場とは、その企業通貨をユーザーに提供する企業(B to CのB)に対して、プラットフォームを提供する市場を指す。つまり、当該市場自体は企業対企業(B to B)の市場であり、大規模な改修を含むシステム構築費用と、アウトソーシングを含む運用費用の総和として定義する。



●ハード市場
PC デスクトップ型、ノート型、サーバー型を含むPC市場。日本国内向けの出荷額から算出。
携帯電話端末 日本国内で出荷される携帯電話端末の市場。NTTドコモ、KDDI(au、ツーカー含む)、ボーダフォン、2007年以降にソフトバンク、イー・アクセスなど新規参入企業から提供されるPDC、cdmaOne (1x, EV-DO含む)、W-CDMAなどの携帯電話端末を含む。無線LANやPHSの端末は除外。
車載情報端末 カーナビゲーションシステム端末、およびその付属モジュールの出荷額。車載盗難防止装置やETC車載機など、ナビゲーションシステムとは独立した専用端末、および電子地図の更新、情報サービスの利用料などは含まれていない。
デジタルカメラ 静止画の撮影を主目的とするものをデジタルカメラと定義するが、音楽再生機能や動画撮影機能が付属しているものも、デジタルカメラに含める。
しかし、携帯電話に付随しているデジタルカメラなど、静止画の撮影以外を主目的とする機器に、デジタルカメラ機能が付随しているものは含まない。また、動画撮影を主目的とするデジタルビデオカメラやマルチカメラと呼ばれる動画撮影と静止画撮影機能をあわせ持ったハイブリッド型も含まない。
薄型テレビ 液晶テレビ、プラズマテレビ、マイクロディスプレイタイプリアプロジェクションテレビ(CRTリアプロジェクションテレビは含まない)の3方式を指す。
ゲーム機(据置型) 第3世代以降の家庭用ゲーム機の市場を指す。アーケードゲーム機は対象外とする。家庭用ゲーム機市場は、据置型と携帯型の2つに分類される。第3世代据置型ゲーム機とは、ソニーのプレイステーション2(PS2)、マイクロソフトのXbox、任天堂のゲームキューブを指し、第4世代据置型ゲーム機とは、マイクロソフトのXbox360、ソニーのプレイステーション3(PS3)、任天堂のレボリューション(仮称)を指す。また、市場予測の前提として、Xbox360は2005年12月、PS3は2006年前半、レボリューションは2006年中頃に発売されると想定している。
ハードディスク
レコーダー
記録媒体として、ハードディスクを内蔵するテレビ映像録画機器の小売店市場規模。ハードディスクの他にDVDレコーダーを内蔵する製品が一般的であるが、ハードディスクのみの製品も含む。
携帯オーディオ
プレイヤー
ヘッドフォンステレオ、ポータブルCD(mp3などの各種圧縮方式で録音したCD-R、CD-RW対応製品も含む)、ポータブルMD、ハードディスクオーディオプレイヤー(記録媒体は内蔵タイプ、リムーバブルタイプ両者を含む)、シリコンオーディオプレイヤー(記録媒体は内蔵タイプ、リムーバブルタイプ両者を含む)を対象としている。しかし、携帯電話端末や携帯型ゲーム機など、音楽再生以外を主目的とする機器に音楽再生機能が付属しているものは含まれない。
ロボット ロボットの定義を、センサーからの入力に対して自律的に処理を行い動作する制御系と駆動系を備えた装置とする。また、ここで対象とするロボットには、工業(FA)用ロボットと、軍事用ロボットを含まないものとする。



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