NEWS RELEASE
「2010年、日本の未来を提案します。」
2005年の富裕層マーケットは81.3万世帯、167兆円
~純金融資産の保有額別に各階層のマーケット規模を推計~

2006年9月5日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2005年の金融資産保有額別のマーケット規模を推計しました。預貯金、株式、投資信託、債券、一時払い生命・年金保険などの純金融資産の保有額(負債を差し引く)によって、「超富裕層」「富裕層」「準富裕層」「アッパーマス層」「マス層」に分類して推計した結果、金融資産1億円以上5億円未満の富裕層マーケットの規模は、2005年時点で81.3万世帯、167兆円でした(図1)。

【純金融資産の保有額別マーケット規模の推計(2005年)】
【純金融資産の保有額別マーケット規模の推計(2005年)】
各分類の上段は金融資産額、下段は世帯数
国税庁「国税庁統計年報書」(2004年)、総務省「人口推計」(2004年)、総務省「全国消費実態調査」(2004年)、およびNRI「生活者1万人アンケート調査」(2003年)よりNRI推計
1997年、2000年、2003年の数値は、2004年の推計


 また、NRIが2006年3月に実施したアンケート調査(東京、千葉、埼玉、神奈川在住の高額納税者名簿掲載者から作られたパネル300名を対象。有効回答率55.3%)から、富裕層の資産ポートフォリオは、株や投資信託などのリスク性資産の割合が高いという特徴があることがわかりました。預貯金以外をリスク性資産と定義すると、富裕層の金融資産のうち67%を占めます。資産階層別に見ると、金融資産が多いほどリスク性資産の割合が高くなっています(ご参考:図1)。

 世代別に見ると、リスク性資産の割合は、団塊世代以降の「新世代富裕層」(2006年時点で59歳以下)で61%、「旧世代富裕層」(同60歳以上)では70%で、旧世代富裕層のほうが高くなっています。一方で、リスク性資産の内訳を比較してみると、新世代富裕層のほうが、ヘッジファンド、商品ファンド、仕組み債など「オルタナティブ商品」の割合が高く、比較的新しい商品を好んで保有していることがわかっています(ご参考:図2)。つまり、新世代富裕層は、「預貯金が中心」のタイプと「リスク性資産に分散する」タイプに二極化していると推測できます。「預貯金が中心」のタイプでも、リタイアして資産運用を考える時間が取れるようになれば、今後「リスク性資産に分散する」対応へと変わる可能性は十分に考えられるとNRIでは見ています。

 2007年から本格化する団塊世代の定年退職と、少子高齢化を背景とした遺産相続の増加により、今後しばらくは、団塊世代を中心に富裕層マーケットが緩やかに拡大していくとNRIでは見ています。したがって、金融機関は、団塊世代以降の「新世代富裕層」に対応した富裕層向けサービスを開発していく必要があり、そのためには、「新世代富裕層」の資産運用に対する価値観を正しく把握することがポイントになると考えています。

 今回の推計や、富裕層に対するアンケート、およびインタビュー結果を踏まえ、NRIは、富裕層マーケットに関する分析と提言を、単行本「新世代富裕層の『研究』」として、東洋経済新報社より10月6日に発売する予定です。NRIでは、今後も、金融マーケットの動向を分析し、金融機関のビジネスのあり方を示唆していきます。




【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
野村総合研究所 広報部 瀬戸、小原 TEL:03-6270-8100 E-mail: kouhou@nri.co.jp


2010年、日本の未来を提案します。野村総合研究所(NRI)では、2010年、さらにはその先の日本の社会・産業のあり方についてシリーズで提言していく、「2010年、日本の未来を提案します。」キャンペーンを、2005年9月から実施しています。このニュースリリースも本 キャンペーンの一環として発表したものです。NRIの提案がきっかけとなり、日本の産業界や社会で、未来に向けた夢のある目標づくりが展開されるよう、今後も、ニュースリリース、単行本出版、セミナー開催などを通じて積極的な提案活動を推進していく予定です。


【ご参考】
 
図1:資産階層別の資産ポートフォリオ
準富裕層(金融資産5,000万円以上~1億円未満) 富裕層(金融資産1億円以上~5億円未満)
準富裕層(金融資産5,000万円以上~1億円未満) 富裕層(金融資産1億円以上~5億円未満)

超富裕層(金融資産5億円以上)
超富裕層(金融資産5億円以上)
図2:富裕層の世代別の資産ポートフォリオ
新世代富裕層(59歳以下) 旧世代富裕層(60歳以上)
新世代富裕層(59歳以下) 旧世代富裕層(60歳以上)
ここでの「金融資産額」は、純金融資産ではなく、負債を差し引く前のもの
預貯金 :大口定期預金、MRF・預け金、金銭信託・貸付信託を含む
株式 :国内株式・外国株式・社員持株会を含み、非上場の株式は含めない
投資信託 :国内、海外、ETF、REITを含む
債券 :国内債券、外債
一時払い生命・
年金保険

:全保険料を一括して支払う定額年金保険、変額(投資型)年金保険、養老保険、終身保険のこと、定期保険は除く

ラップ口座
(SMA)
資産運用のアドバイスや株式の売買注文などを一括して提供する資産運用サービス
オルタナティブ
商品
:ヘッジファンド、商品ファンド、仕組み債(日経平均や為替、金利に連動して利回りや
  償還条件が変化する債券)など




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