NEWS RELEASE
2011年までの国内IT主要市場の規模とトレンドを展望(2)
~インターネット広告が7,417億円、ブログ・SNSは1,706億円に拡大~

2006年12月21日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下NRI)は、2011年までの国内IT主要5市場の分析と規模予測を行いました。2006年12月19日に発表した、ハード市場、放送市場に続く第二弾として、今回は、ネットビジネス市場8分野、携帯電話市場4分野、ブロードバンド市場6分野の市場規模予測を発表します。


●市場規模予測 (単位:億円)
市場・分野 2006年度 2007年度 2011年度
ネットビジネス市場 BtoC EC 38,200 44,200 64,300
オンライン決済 1,273 1,441 2,010
音楽配信 ※1 188 363 795
オンラインゲーム 1,510 1,860 3,890
インターネット広告 ※1 3,554 4,663 7,417
ブログ・SNS 222 484 1,706
VOD 94 140 434
IP放送 87 185 516
携帯電話市場 モバイルキャリア ※2 70,711
69,268
71,820
68,919
72,088
63,699
モバイルコンテンツ 3,324 3,585 3,873
モバイル決済 154 195 385
移動体向け放送 14 70 582
ブロードバンド市場 光ファイバー 3,855 4,881 7,806
ADSL 5,197 4,966 3,791
ケーブルテレビインターネット 1,909 1,931 1,744
モバイルブロードバンド 98 127 365
法人ネットワーク 11,131 10,381 8,352
IP電話 ※3 11,714 13,579 18,083

※1: 音楽配信とインターネット広告の予測は、「年度」ではなく「年」単位
※2: 予測値の上段は、キャリア各社のARPU(1契約当たりの平均利用料)が2006年度以降も毎年2%ずつ下落し続けた場合の予測。下段は、各社のARPUが、06年度から毎年4%ずつ下落し続けた場合の予測
※3: IP電話の数値は加入者数で、単位は千回線


【ネットビジネス成長の主軸は携帯電話へ】
 インターネットを活用したさまざまなビジネスが生活の中に着実に浸透してきていることを背景に、ネットビジネス市場は成長が見込まれます。成長の主軸は、PCから携帯電話に移ってきており、なかでも消費者向けインターネット通販(BtoC EC)、音楽配信、インターネット広告などに関しては、携帯電話向けサービスの成長が著しいでしょう。
 インターネット広告の市場規模は、成長スピードはやや鈍化するものの、携帯端末向けインターネット広告が伸びてきたことに後押しされ、2011年には7,417億円と広告費全体の10%超まで拡大すると予想されます。ブログ・SNS市場は、2011年度末に、ブログサイト数1,813万サイト、SNS登録者数5,110万登録となり、金額ベースの市場規模は合計で1,706億円に達する見込みです。これに伴って、ブログ・SNSからECサイトへの誘導が促進され、BtoC ECの市場規模が2011年時点で6兆円を超えると予測されます。


【携帯電話利用者は2008年に1億人超に】
 2006年の携帯電話市場は、移動体向け端末放送(ワンセグ)の開始、ソフトバンクによるボーダフォン買収、ナンバーポータビリティの導入など大きな動きがありました。これらの変化を受け、2011年に向けて、今後ますます市場の競争環境は激化していくでしょう。
 携帯電話の契約回線数は微増傾向で、2008年の初めには1億回線を超え、2011年度末には1億826万回線まで増加する見込みです。しかし、市場規模は、モバイルキャリア各社のARPU(1契約当たり平均利用料)の下落を年率2%とする楽観的な予測においても、2009年度の7兆2,624億円を境に減少していくものと推計しています。
 なお、通信方式別に見た携帯電話の契約回線数を予測したところ、2010年度末にはほぼ2Gから3Gへの移行が完了すると見られます(モバイルナンバーポータビリティによる影響および新規事業者の参入による影響は加味していない)。


【ブロードバンドの世帯普及率が約60%に】
 ブロードバンド市場は成熟期を迎えるものの、光ファイバー化が緩やかに進み、2011年度末には加入世帯数は1,790万世帯、市場規模は7,806億円に達するでしょう。これら光ファイバーにケーブルテレビインターネット、ADSLを加えた家庭向けブロードバンドは、2011年度末で3,089万世帯に普及し、世帯普及率は約60%に達すると見ています。
 また、IP電話は、一般消費者向けサービス加入者数が、2005年度末の940万回線から、2011年度末には1,808万回線に増えると予測しています。

 今回のIT市場予測は、2000年、01年、03年、04年、05年に次いで6回目です。今回の予測の詳細は、単行本「これから情報・通信市場で何が起こるのか ~IT市場ナビゲーター 2007年版~」として、東洋経済新報社より本日発売されます。


【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
野村総合研究所 広報部 瀬戸、小原 TEL:03-6270-8100 E-mail: kouhou@nri.co.jp

【ご参考:市場の定義】

●ネットビジネス市場

BtoC EC インターネットを経由した、一般生活者向けの商品・サービス販売(ネット通販)の市場。携帯電話を用いたインターネット経由の販売(モバイルEC)も含む。ただし、出張にともなう航空券の購入など、法人消費分は除くほか、自動車や不動産などで見られる、インターネットを介しての見積りや各種申し込みのように、最終意思決定や契約がネットによって完結しないものは市場に含まない。また、オンライントレードやオンラインバンキングといった金融サービス市場、デジタルコンテンツ市場(音楽、映像、eラーニングなど)および公営競技やオークションも含まない。
オンライン決済 企業対個人(BtoC)で行われる電子商取引(EC)における、課金・決済に伴って生じる市場と定義する。インターネットなどを通じて商品などの購入が行われる際に、本来、第三者である決済機関が、手数料などのかたちで取引参加者から取得する金額の合計である。運送会社による代金引換サービスの手数料や、エスクローサービス(売り手と買い手の間に入り、金銭や物品の授受を仲介するサービス)による支払いの利用料金などは含まない。
音楽配信 「音楽配信」とは、インターネットや携帯電話通信網を用い、楽曲全体をダウンロードするサービスと定義する。カラオケ用データの配信や、「着メロ」、「着うた」などの楽曲の一部のみを配信するサービスはここに含まない。
音楽配信市場は、「インターネット音楽配信市場」と「携帯電話音楽配信市場」の性質の異なる2つの市場からなる。「インターネット音楽配信市場」は、インターネットを経由してPCやオーディオ機器に楽曲をダウンロードするサービスに対して消費者が支払う金額の総額である。また「携帯電話音楽配信市場」は、携帯電話通信網、またはインターネットを用いて楽曲を購入し、携帯電話端末内にダウンロードするサービスに対して消費者が支払う金額の総額とする。
オンラインゲーム 日本国内で、携帯型を含む家庭用ゲーム機や携帯電話などを利用して行う、ネットワークを介したゲームサービスの売り上げをオンラインゲームの市場とする。ただし、家庭用ゲーム機やPCなどのハードウェア上に、ゲームソフト自体をダウンロードし、機器内において独立で利用するゲームソフト(オンラインによるゲームソフトのノンパッケージ販売)の市場は対象から除外している。
インターネット広告 Webサイトや携帯端末向け情報サイトにおける広告掲載、および電子メールによる広告配信など、インターネットおよび携帯電話を利用した通信回線上のサービスにおいて掲載される広告に関連する市場を範囲とする。なお、広告表現としては、テキスト、画像、映像、音声(音楽やナレーション)を使用するもの全般を対象とし、コンテンツの制作費は含まない。
ブログ・SNS ブログ市場規模は、ブログを提供するポータル事業者がブログサービスを提供することで得られる次の収入の総計:各ブログにおけるインターネット広告、有料ブログ利用料、法人向けブログ利用料、ブログを活用した出版による収入、ブログを通したECサイトの紹介手数料。なお、ブログ上で利用される有料のデジタルコンテンツについては含んでいない。
SNS市場規模は、SNSを提供する事業者がサービス提供にともなって得られる次の収入の総計。SNSにおけるインターネット広告、有料SNSの利用料、SNSを通して得られるEC手数料。なお、SNS上で利用される有料のデジタルコンテンツについては含んでいない。
VOD 映画やアニメ、ドラマなど、従来パッケージメディア(DVD、ビデオカセット)に収録されることが多かった短時間の映像コンテンツ(30分から3時間程度)を、消費者がインターネットやケーブルテレビなどのネットワークを用いて、一定期間(1週間程度)視聴する権利に払う金額の合計値。今回の算出では、GyaO、Yahoo!動画などの無料VODサービスにおいてスポンサーとなる企業が映像配信メディアに対して支払う広告・宣伝・販促費用は含まない。また、映像コンテンツをダウンロードし、期間の制限がなくそのまま消費者が保持可能である販売形態のEST(Electronic Sell-Through:ダウンロード販売)についても対象としていない。
IP放送 閉域のIPネットワーク網を通じ、STB(セットトップボックス)に接続されたテレビ受像器に対して、多チャンネル放送や地上波番組の再送信等の映像を配信する放送サービスに対して支払われる初期加入料金および視聴料金で構成される市場。ただし、本サービスを利用する際に必要となるSTBは、主にレンタルで提供されていることが多いが、そのレンタル料は市場に含まない。さらにオープンなインターネット上で提供される放送サービスやVOD(ビデオオンデマンド)などの市場、およびパソコン向けの放送サービスは含まない。


●携帯電話市場
モバイルキャリア 既存の国内の携帯電話事業者の総電気通信事業収入。新規事業者の収入は含まない。
モバイルコンテンツ 当市場は、携帯電話向けに有料のコンテンツを配信するサービスの売り上げで構成されており、ユーザーに無料で提供されるコンテンツは含まない。市場は、着信メロディ(着うた、着うたフル、着声を含む)、ゲーム、壁紙ダウンロードなどの「エンターテインメント系市場」と、ニュースや天気予報などの「情報サービス系市場」の2つにより構成される。
モバイル決済 携帯電話を利用したショッピングの決済において、売り手、買い手以外の第三者が仲介することによる手数料の市場。ただし、利用が携帯電話内で完結するモバイルコンテンツ(着うた、アプリゲームなど)にともなう決済の市場や、CtoC(オークション)での決済の市場は含まない。
移動体向け放送 携帯電話機および車載情報端末などの移動体機器向けに行われる放送(音声および画像)サービス市場と定義。従来型のテレビ、ラジオ放送のようなアナログ放送サービスは除く。現在のワンセグは無料放送モデルで提供されているものの、この市場は、ビジネスモデルがいまだ確立しておらず、また放送開始前のサービスも含まれていることから、放送サービスによる移動体機器の付加価値の増分として市場をとらえる(ここで言う「付加価値」とは、モバイル広告市場規模を携帯電話の普及台数で割ったものを1台あたりの付加価値と定義)。機器などの販売による収入や、放送サービスを介したコンテンツ販売および物販による収入は含まない。


●ブロードバンド市場
光ファイバー 家庭向けの光ファイバーによるブロードバンド接続市場を対象としている。家庭まで直接光ファイバーが引き込まれているケースと、集合住宅において光ファイバーとVDSLなどを組み合わせたケースの両方をあわせて、光ファイバー回線市場と定義している。
ADSL 今回の市場予測では、企業向けは除き、家庭向けに提供されるADSLによる接続サービス市場を対象としている。
ケーブルテレビ
インターネット
ケーブルテレビネットワークを用いて提供されるインターネット接続サービスの総称。今回の市場予測は、国内のケーブルテレビ事業者による戸建て・集合住宅を合わせた家庭向けのブロードバンド接続サービス市場を対象としている。
モバイル
ブロードバンド
公共スペースで利用できる公衆無線LANサービス利用者からの契約金、月額利用料金および一時利用にともなう利用料金の総額。なお、市場規模予測にはISP料金と、他社のアクセスポイント設備を利用するたびに発生するローミング利用料は含まない。WiMAX、IEEE802.20、次世代PHSなどの次世代広域無線サービスについては、2006年時点ではビジネスモデルが不明確なため、市場の中には含まない。また、アクセスポイント設備を有料で提供するビジネスモデルにおける設置費用と運用費用も含めていない。
法人ネットワーク 専用線、FR・CR(フレームリレー・セルリレー)、IP-VPN、広域イーサネット、インターネットVPNを対象とする。これらのネットワークサービスは、法人企業が利用するため、まとめて「法人ネットワーク市場」と呼ぶことにする。
IP電話 IP電話サービスのうち、特消費者向けのサービスであり、かつPCではなく普通の電話機を使って利用可能なIP電話サービスを市場規模推計の対象としている。NTT局舎間の中継網のみをIP化した直収電話サービスは、市場規模推計に含まない。



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