NEWS RELEASE
「次世代農業に関するアンケート調査」を実施
~ 7割以上が「食料自給率の向上」と「食の安全確保」を重視 ~

2009年6月1日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2009年4月25日から26日にかけて、全国の20歳以上の男女1,000人を対象に、インターネット上で「次世代農業に関するアンケート調査」を実施しました。その結果、「食料自給率の向上」や 「食の安全性の確保」が日本の農業にとって重要な課題であると7割以上が回答しました。また、形のふぞろいな規格外※1の農産品、植物工場産品の購入や農産物の通販・宅配の利用が増加していることがわかりました。

【「食料自給率の向上」と「食の安全確保」を特に重視】
 日本の農業問題のうち重要と思うことを聞いたところ、「食料自給率の向上」79.6%、「食の安全性の確保」71.0%の2つの回答率が特に高く、「農地の有効利用」48.7%、「農家の後継者問題/担い手の高齢化問題への対処」45.9%がこれに次いでいます。年齢別に見ると、60歳以上の層で、各項目の重要性を指摘する人の比率が高く、特に、「農地の有効利用」が62.2%と全体の48.7%を大きく上回りました(図1)。
 また、生鮮野菜や果物の購入時の重視点を聞いた質問に対して、46.6%が「安全であること」と回答していることからも、多くの人々の食の安全確保を重視する姿勢が推察されます。特に、主婦が非常に重視するのは、「安全であること」53.8%、「品質がよいこと」51.8%、「国産であること」47.0%となっており、「価格が安いこと」33.6%を大きく上回っています(図2)。

【規格外の農産品の購入意向は高いが、価格面での割安感が必要】
 通常の販売ルート以外で、規格外の農産品を安く販売する取り組みについては、約8割の人が「知っている」と回答しています。実際に規格外の野菜や果物を購入したことがある人はその約半数にとどまっていますが、今後の購入意向を聞いたところ、92.0%の人が購入したいと考えています(図3)。
 規格外の農産品を購入してもよいと考える価格水準は、「1~2割程度安ければ買いたい」が46.4%、「3~4割程度安ければ買いたい」が30.4%となっています。

【植物工場については、十分に認知されていない】
 約6割の回答者は、植物工場※2の存在を知っており、年齢が上がるにつれて認知度が高くなります。植物工場に対するイメージでは、「通年食べられる」が70.6%と最も多く、「季節感がない(旬がない)」44.7%がこれに続いています。植物工場の特徴である「土や虫がつかずきれい」は38.2%、「無農薬」は36.0%と、「季節感がない(旬がない)」との回答に比べて少なくなっています。「日光が当たらないなど不自然」25.8%、「遺伝子組み換え等の危険性を感じる」19.6%など、否定的な回答もありました(図4)。

【3人に1人が農産物の通販・宅配を継続的に利用し、その選択基準は食材の安全性】
 近年、食に対する関心が高まる中で、産地直送や有機農産物の配送など、食材の通販・宅配サービスを継続的に利用しているという回答が3割以上ありました。この利用経験の割合は、図2で示した購入時に重視する点のうち、「地元産であること」「産地・品種・生産者のブランド」を上げた回答者において、4割以上と高く出る傾向が見られました。 食材の通販・宅配サービスの利用者にその選択基準を聞いたところ、「食材の安全性」が59.9%と最も高く、次いで「食材の新鮮さ」43.2%、「取引における業者の信頼性」34.3%となっています(図5)。

 本アンケート調査の詳細な分析結果は、NRIホームページ内の「研究創発センター」の「研究成果」コーナーでご覧いただけます。
 URL: /souhatsu/research/2009/pdf/rd200906_02.pdf

※1 規格外: 大きさが規格から外れている、形がいびつ、表面に傷や汚れがあるなどの理由から、通常の販売ルートでは除外される商品のこと。
※2 植物工場: 野菜などを光や温度、湿度などを高度に管理した環境のもとで生産する工場のこと。

【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 馬場、海藤
TEL: 03-6270-8100 E-mail:


【ご参考】


調査概要
 
調査名 「次世代農業に関するアンケート調査」
実施時期 2009年4月25日から26日
方法 NRIのインターネットリサーチサービスTRUENAVI(http://truenavi.net)を利用
回答者 日本全国に在住する20歳以上の男女1,000人(男女年齢(10歳階級)別の構成が現在のわが国の性・年齢別人口構成に沿うように回答数を設定した。なお、60歳以上の層は、60歳代の比率で回答数を設定し、回答には70歳以上も含まれるようにした。)
調査担当 研究創発センター(安積、村上)
グローバル戦略コンサルティング一部(小原、重田、金子)
経営革新コンサルティング部(名取)

図1: 日本の農業問題のうち重要なことは何か(複数回答)
図1:日本の農業問題のうち重要なことは何か

図2: 生鮮野菜や果物を購入するとき非常に重視すること
  (質問形式は、各項目について『非常に重視する』『比較的重視する』『重視しない』という判断を聞いているが、ここでは『非常に重視する』のみを集計)
図2:生鮮野菜や果物を購入するとき非常に重視すること

図3: 規格外の農産品についての認知、購入経験および購入意向
図3:規格外の農産品についての認知、購入経験および購入意向

図4: 植物工場(野菜工場)で生産される農産品についてのイメージ(N=1,000/複数回答)
図4:植物工場(野菜工場)で生産される農産品についてのイメージ

図5: 食材の通販・宅配サービスを選択する基準(N=324/複数回答)
  『食材の通販・宅配サービスを継続的に利用している』と答えた人のみ回答
図5:食材の通販・宅配サービスを選択する基準


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