株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、2015年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模予測を行いました。2010年12月17日に発表した、ブロードバンド関連サービス市場、放送メディア市場に続く第二弾として、今回は、ネットビジネス市場6分野、モバイル市場4分野、ハード市場8分野についての予測結果を発表します。

お詫びと訂正PDF

市場規模予測 (各市場の定義は参考資料を参照)
市場規模予測
※1:
インターネット広告、薄型テレビ、デジタルカメラ、電子書籍の予測は「年度」ではなく、「年」単位
※2:
CAGR(Compounded Annual Growth Rate:年平均成長率)は、2010~2015年度の5年間における、各市場の年平均成長率を表す。
※3:
電子書籍端末の予測は各年の「単年」市場ではなく、各年末時点の「累積」販売台数

ネットビジネス市場

【ネットビジネス市場は、2015年度には18兆円市場に】

ネットビジネス市場は、パソコン向けに加え、携帯電話向けの市場が伸びており、全体として順調な拡大が期待できます。ネットビジネスの市場全体では、2010年度の約12兆円から、2015年度には18兆円へと、約1.5倍の拡大が見込まれます。

BtoC EC(消費者向け電子商取引):

ネットビジネス市場で最も大きな割合を占め、2015年度には約12兆円に達する見込みです。これからの5年間、市場拡大を牽引するのは「モバイル(携帯電話向け)EC」であり、BtoC EC全体に占める割合は、2010年度の17.5%から2015年度には20%を超え、金額規模で2.5兆円を突破すると見られます。

インターネット広告:

成長速度をゆるめつつも、2010年の約6,400億円から2015年には約9,300億円に拡大すると予測されます。そのうち携帯電話向け広告の市場は、2015年に約3,300億円となり、インターネット広告市場全体の35%を占めると見込まれます。

音楽配信:

スマートフォンの普及と、音楽配信におけるクラウド化の進展が起爆剤となり、2015年度には2010年度の1.6倍となる1,020億円に達すると見られます。

インターネットオークション:

物品の送付を必要としない、デジタルコンテンツやデータなどの取引が増加しています。今後は、年率5%程度の緩やかな成長軌道にのり、2015年度で約1兆1,700億円の規模となると予測されます。

オンライン決済:

EC市場の拡大にともなって、2010年度の約3,200億円から、2015年度には約5,200億円へと拡大が予想されます。このうち、携帯電話等のモバイル端末を利用した決済市場は、2010年度の580億円から急拡大し、2015年度に約1,000億円となる見込みです。

非接触IC決済:

新規参入が一段落し、今後は首都圏以外での地域での利用拡大が見込まれます。今後は年率10%程度の成長により、2015年度の非接触IC決済市場(取扱高)は、約3兆7,000億円に達するものと予測されます。

モバイル市場

【スマートフォンの台頭により、企業情報システムやコンテンツ市場が拡大】

携帯電話の契約件数は1億を超え、市場は成熟しつつあります。一方で、スマートフォンの台頭により、携帯電話の事業構造が大きく変革しつつあります。一人で複数台を保有したり、フォトフレームのような新たな用途の開拓で、回線契約を増やす動きが進むと考えられます。

モバイルキャリア:

低年齢層の新規加入と高齢者層の保有率の増加、個人による複数台保有の増加、法人契約の増加、およびデータ通信契約の増加によって、携帯電話の契約回線数は、2010年度の1億1,700万回線から2015年度には1億3,400万回線に増加すると予測しています。

携帯電話事業者の収入については、スマートフォンの普及に伴い、データ通信の利用が増加し、ARPU(1契約あたりの平均利用料)が回復基調に乗れば、V字回復が見込めます。音声ARPUが下げ止まり、データARPUが伸長するシナリオでは、2015年度の収入は8.5兆円まで拡大していくと予想しています。

ワイヤレス・ブロードバンド:

今後はWiMAXやHSPAなど、より高速なサービスの普及や、第3.9世代LTE(Long Term Evolution)のような新たな無線方式などの導入により、2010年度の2,400億円から、2015年度には4,200億円程度の市場へと成長することが期待されます。

モバイルコンテンツ:

2010年度の約5,800億円から、2015年度には約6,700億円に緩やかに拡大すると見られます。電子書籍市場やゲーム市場を筆頭に、「エンターテインメント系市場」は拡大するものの、「情報サービス系市場」の縮小もあり、長期的には市場成長は鈍化すると見られます。

企業向けモバイルサービス:

2010年度の3,800億円強から急拡大し、2015年度には約8,800億円の市場を形成すると見込まれます。スマートフォンやWi-Fi機能付き携帯電話の普及に伴い、モバイルセントレックスやグループウェアなど、ビジネス向けサービス市場の活性化が進むと考えられます。

ハード市場

【今後のハードウェア市場の拡大は中国など、日本、米国、西欧以外の地域】

デジタルカメラの動画撮影機能、iPadやGoogle TVの登場など、複数の機能を高い水準で持つ汎用的な端末が登場しています。

先進国の成長率の鈍化もあり、新興国市場の重要性は一層高まっています。一方、EMS(Electronics Manufacturing Service:製造受託サービス)などへの生産アウトソーシングの加速により、結果として、製品機能、性能が似たものを、同じ場所で生産するという状況になっています。現地メーカーに対して、価格競争力の面で劣位にあることが多い日系メーカーは、価格競争を回避するために、マーケティング(販路開拓、ブランド向上のためのプロモーションなど)施策への比重を高めています。

薄型テレビ(世界市場):

2010年の約1億7,400万台から、2015年には2億6,900万台に達する見通しです。金融危機の影響により、販売台数は一時的に落ち込みましたが、大規模市場(米国、中国など)における経済政策と地上波放送のデジタル化が、販売台数増加を牽引しています。今後、最も市場成長が期待されるのは、中国などの新興国です。また、3D(三次元映像)に関する取り組みも活発化しており、今後の普及が注目されます。

携帯電話端末(世界市場):

新興国において力強い需要の成長が見られます。2010年度の約12億4,500万台から、2015年度には16億1,000万台を超えると見られます。先進国、新興国を問わず、スマートフォンの普及が急速に進んでおり、日本でも、2015年度には需要台数の70%をスマートフォンが占めると予測しています。

デジタルカメラ(世界市場):

金融危機以降、需要は大きく減少したままとなっています。今後は、新興国での低価格機の普及が中心となっていくと予想されます。世界の出荷台数は2010年の約1億2,500万台から2015年には1億5,800万台に達する見通しです。

車載情報端末:

車両への搭載の手間が小さく安価なPND(ポータブル・ナビゲーション・デバイス)が成長しています。2010年度の出荷台数は110万台を越え、2015年度には138万台に達すると予測しています。車載情報端末全体では、2010年度の529万台から、2015年度の581万台へと緩やかな伸びにとどまります。今後は、テレマティクスサービスにおいて、スマートフォン等で提供されるサービスとの連携が成長の鍵となります。

ゲーム機:

次世代ゲーム機の本格的な発売は、2012年になり、それ以降、据置型ゲーム機の市場は盛り上がりを見せます。今後、ソーシャルゲームが新たな競合対象として、注目されます。2010年度の市場規模は約1兆円ですが、2015年度は1.3兆円程度になると予測します。

サービスロボット:

2010年度の70億円から、2015年度には182億円へ拡大すると推計されます。安全基準の策定など、サービスロボットを利用する環境を整えることが必要です。

電子書籍:

2010年に、日本国内でも市場が立ち上がった電子書籍の端末市場は、2015年末までの 累計販売台数が1,400万台の規模になると予測しています。電子書籍向けのコンテンツも増加し、2015年(単年)のコンテンツ市場規模は2,400億円に達する見込みです。

今回のIT市場予測は、2000年以降、今回で10回目となります。市場分析や予測の詳細は、単行本『これから情報・通信市場で何が起こるのか ~IT市場ナビゲーター 2011年版~』として、東洋経済新報社より12月22日に発売される予定です。


【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】

株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 中山、日下部
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【ご参考:各市場・分野の定義】

ネットビジネス市場
ネットビジネス市場
モバイル市場
モバイル市場
ハード市場
ハード市場

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