東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、2011年3月15日より、社長直轄で震災復興支援プロジェクトチームを発足させました。

今回の震災はその規模の大きさに加え、被災地が広域で分散していること、原子力発電所事故など、単なる地震災害の域を超えて問題が広範で複合的であることなど、復旧、復興には多くの対策、新しい対応が必要になります。

当社では今回の震災への対応のためには、以下の5つの緊急対策を並行して進める必要があると考えます。

  1. 被災者の支援
  2. 福島第一原子力発電所の事故対策
  3. 地域の復興、地域産業の再生
  4. 電力の需給対策
  5. 今回の大震災を踏まえた防災対策の推進

今後は、震災復興に向けた緊急対策に関し、上記テーマについて順次、提言を行ってまいります。

同チームでは、逼迫する東京電力管内の電力の需給対策に向けた提言の1つとして、「2011年夏の電力供給不足への対応のあり方」を取りまとめました。主な内容は、以下のとおりです。

■提言

今夏の電力供給不足を解消するにあたって、電力ユーザーの自発的な需要抑制の実施には限界があり、この夏の計画停電は免れ得ないと思われます。その際、サマータイム制度など節電効果が不透明な施策の検討に、必要以上に時間を費やすべきではありません。

計画停電の実施を前提に、総量規制など確実に効果が見込める施策を通じて、計画停電の頻度・範囲を最小化しつつ、停電により致命的な悪影響が発生する施設における停電対策の具体化を急ぐべきだと考えます。

電力供給不足や停電による社会・経済への悪影響を最小化するためには、電力ユーザーが計画停電への対策を検討する時間的猶予を十分に確保することが重要です。政府のリーダーシップの下、4月末までに電力需給対策の実施方針を具体化し、産業界や国民の合意形成を図りながら、需要抑制施策と停電対策の具体化に早期着手する必要があると考えます。

■検討内容

1.2011年の供給能力の前提

供給能力の詳細については、東京電力から2011年3月25日付で発表された「今夏の需給見通しと対策について」に記載されているとおり、「最大電力需要5,500万kWに対して供給力が850万kW程度不足する」という前提で検討を行いました。

2.想定される需要抑制施策とその効果

今夏の需給逼迫状況を少しでも緩和するため、様々な需要抑制施策が検討されていますが、少しでも需要抑制に効果がある施策は全てやり尽くす覚悟が必要となります。一方で、各需要抑制施策の特質や限界を理解しておくことも重要と考えます。ここでは、1)サマータイム制、2)総量規制、3)ピーク時間帯の料金値上げによる需要抑制、4)夏季休暇の長期化・分散化、5)輪番操業、の5施策についてその効果の評価を実施しました(表1)。

表1 電力需要の抑制施策と評価
表1 電力需要の抑制施策と評価
3.計画停電のあり方

上記の需要抑制対策のうち、相対的に効果が見込まれる施策を実施した場合の、契約類型別に見た需要抑制効果の検討を行いました(表2)。検討結果では、楽観的なシナリオに基づいた節電効果を見込んでも、360万kWの供給力不足が想定されることから、計画停電を回避することはできないと考えます。

このため、計画停電の悪影響を最小化するために、計画停電の実施箇所及び実施パターンについて、検討が必要となります。

表2 需要抑制施策を講じた場合の想定効果(契約類型別)

現在の計画停電は、一次変電所と呼ばれる6万6千ボルトに降圧する変電所を実施単位として行われていますが、よりきめ細かい停電計画を実施するために、これを配電用変電所単位に変更することが考えられます。しかしながら、配電用変電所単位での計画停電措置が可能かどうか、設備面で問題がないかどうか、等の確認が必要になります。

以上のように、今夏に関しては計画停電を免れないと考えられますが、計画停電による電力需要抑制を最小化するため、引き続き最大限の節電努力が必要です。

また、緊急避難的に行われている現在の計画停電のパターンをそのまま踏襲するのではなく、社会・経済への悪影響が最小となるような停電パターンを検討する必要があります。その上で、計画停電の実施により生じる諸問題への対応策を具体化することが急務の課題になります。

電力需要がピークを迎える7月末まで、残り3か月半という猶予期間を最大限に活かすため、4月末までに需要抑制施策と停電対策の実施方針を固めることが重要です。

NRIでは、計画停電に関する電力ユーザーに対するアンケート調査を計画しており、調査が完了次第、改めて調査結果を公表することを予定しています。

NRIでは今後とも、電力の需給対策および震災復興に向けた対策に関する提言を継続して行ってまいります。

なお、今回の提言の詳細は、以下のサイトをご覧ください。

/opinion/r_report/pdf/201103_fukkou1.pdf


【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】

株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 小沼、中山
TEL:03-6270-8100 E-mail:

【提言内容に関するお問い合わせ】

株式会社野村総合研究所 未来創発センター 震災復興支援プロジェクトチーム 福地、伊藤、木村
E-mail:

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