東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、2011年3月15日に、社長直轄の震災復興支援プロジェクトチームを発足させ、3月30日以降、いくつかの提言や調査結果を発表してまいりました。これまでの提言につきましては、本リリースの最後をご参照ください。

このたび同プロジェクトでは、東北地域の振興と産業の再生に向けた提言として、「第4回提言 震災による雇用への影響と今後の雇用確保・創出の考え方」を取りまとめました。主な内容は以下のとおりです。

■提言

東北地方太平洋沖地震の被災地域の復興にあたっては、「雇用の確保・創出」に向けた取組が極めて重要な課題です。

被災時点の被災地域の想定従業者数は、平成17年国勢調査及び平成18年事業所・企業統計調査による被災地域の従業者数に基づき推計すると、77.3万人と見込まれます(図表1)。さらに、この地域の産業構造を踏まえて推計した結果、震災1年後に従前の職を維持できる従業者数は71.4万人にとどまり、被災地域で転職を余儀なくされる従業者数が1.6万人、職を失い地域外への転出を余儀なくされる従業者数は4.4万人に上ると見込まれます。震災6年後には、従前の職を維持できる従業者数は67.8万人となり、被災地域で転職を余儀なくされる従業者数は1.4万人、職を失い地域外への転出を余儀なくされる従業者数は8.2万人までふくらむと見込まれます(図表2)。

これは、通常であれば、長期間を経て緩やかに起こるはずの産業構造変化が、震災によって一瞬にして生じたものと捉えることができます。しかし、見方を変えれば、単に従前の産業・雇用を『復元』するのではなく、震災復興に向けた政府の支援を上手く活用することによって、通常ならば長期にわたる努力を重ねて行う地域産業構造転換を、短期間で成し遂げる機会と捉えることができます。

「雇用の確保・創出」は、産業ごとの特性を踏まえ、多様な取組の組み合わせによって取り組むことが重要と考えられます。本提言では、産業特性から「雇用」機会を以下の6つに類型化し、それぞれごとに復興支援策を検討する際の考え方を整理しました。

  1. 地域住民の生活を支える必要性から、若干の事業集約化を伴いながらも“維持される雇用”
  2. グローバルなサプライチェーンの中で需要者から支援を得て“自律的復興”する産業での雇用
  3. 一時的に失われる商権・商圏を回復しうる経営体質を備えた企業主導の“選択的復興”により確保・創出される雇用
  4. 経営資源の集約化を通して経営体質を強化し、事業基盤の再構築を図る“抜本的効率化による復興”により創出される雇用
  5. 新機軸としての“新産業の創出”による雇用
    第2回提言『東北地域・産業再生プラン策定の基本的方向』参照
  6. 地域外へ転出せざるをえない雇用
図表1 震災1年後及び6年後の従業者数の推計
図表2 現在の職に留まる人数と転職または失業となる人数の推計
図表2 現在の職に留まる人数と転職または失業となる人数の推計

なお、今回の提言の詳細は、以下をご覧ください。

/opinion/r_report/pdf/201104_fukkou4.pdf


【ニュースリリースに関するお問い合わせ】

株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 小沼、中山
TEL:03-6270-8100 E-mail:

【提言内容に関するお問い合わせ】

株式会社野村総合研究所 震災復興支援プロジェクト 安田、広瀬
E-mail:

【ご参考】

NRIは、今回の震災への対応のためには、以下の5つの緊急対策を並行して進める必要があると考えます。

  1. 被災者の支援
  2. 福島第一原子力発電所の事故対策
  3. 地域の復興、産業の再生
  4. 電力の需給対策
  5. 今回の大震災を踏まえた防災対策の推進

NRIは今後も、震災復興に向けた緊急対策に関し、上記テーマについて順次提言を行ってまいります。これまで、震災復興支援プロジェクトチームをはじめとするNRIグループが行ってきた提言や取り組みは、以下の通りです。

2011年3月22日
「被災地周辺で通過できた道路の情報を閲覧できるAndroid
スマートフォン向けアプリを無料で提供」(ユビークリンク)
/news/2011/110322.html
2011年3月30日
「『東北地方太平洋沖地震』被害への義援金の寄付について」
/news/2011/110330_2.html
2011年3月30日
「第1回提言 2011年夏の電力供給不足への対応のあり方」
/news/2011/110330_1.html
2011年4月4日
「第2回提言 東北地域・産業再生プラン策定の基本的方向」
/news/2011/110404.html
2011年4月8日
「第3回提言 被災者登録・所在把握による地域コミュニティ維持」
/news/2011/110408_1.html
2011年4月8日
「第5回提言 総合的な減災対策の推進」
/news/2011/110408_3.html
2011年4月8日
「ITを活用した復興支援ソリューションの提供を開始」
/news/2011/110408_4.html

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