東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、2011年3月15日に、社長直轄の「震災復興支援プロジェクト」を発足させ、3月30日以降、いくつかの提言や調査結果を発表してまいりました。震災復興に向けたNRIグループのこれまでの取り組みにつきましては、こちらをご覧ください。

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このたび同プロジェクトでは、東北地域の振興と産業の再生に向けた提言として、「第9回提言 震災による雇用への影響と今後の雇用確保・創出の考え方(2)」を取りまとめました。主な内容は以下のとおりです。

■提言

本提言は、4月8日に公表した「第4回提言 震災による雇用への影響と今後の雇用確保・創出の考え方」の続編にあたります。第4回提言では、被害の大きかった岩手県・宮城県・福島県の沿岸域(被災地域)の被災時点の想定従業者数77.3万人のうち、被災地域で従前の職を維持できる従業者数は震災1年後には71.4万人、6年後には67.8万人で、転居や職業転換が必要となる人が発生することへの警鐘を鳴らすとともに、6つの雇用機会について復興における望ましい産業と雇用のあり方を整理しました。

本提言では、被災地域別にみた雇用復興の考え方を整理した上で、雇用機会の6つの類型ごとに、より具体的な雇用の確保・創出の方策をとりまとめています。

1)地域別にみた雇用復興の考え方

地域ごとの雇用復興に際しては、各地域の通勤流動の特徴(岩手・福島両県は域内完結型、宮城県は域外流動型)に基づく“雇用圏”を意識した上で、地域産業の特性を踏まえつつ、将来性・発展性のある形で産業を再生することにより、雇用の確保・創出に努めていく必要があります。

  • ○岩手県:三陸を中心とした漁業、農業及び関連食品加工業等の選択的復興
  • ○宮城県:地方中核都市・仙台との連携に基づく商業・サービス業及び製造業の再興
  • ○福島県:金属・機械系7業種を中心とした製造業の再興
2)雇用機会の類型別にみた雇用確保・創出方策案

本提言では、第4回提言で提言した6つの雇用類型を、復興の手順に沿って、以下の3つに再整理し、雇用確保・創出のための方策案をまとめています(図表1)。

(1)被災地域で就業を継続する人への支援

  1. 地域住民の生活を支える必要性から、若干の事業集約化を伴いながらも“維持される雇用”
  2. グローバルなサプライチェーンの中で需要者から支援を得て“自律的復興”する産業での雇用
  3. 一時的に失われる商権・商圏を回復しうる経営体質を備えた企業主導の“選択的復興”により確保・創出される雇用
  4. 経営資源の集約化を通して経営体質を強化し、事業基盤の再構築を図る“抜本的効率化による復興”により創出される雇用

(2)被災地域の雇用の受け皿を広げるための新たな産業創造による雇用創出

  1. 新機軸としての“新産業の創出”による雇用

(3)被災地域外での雇用確保のための支援

  1. 地域外へ転出せざるをえない雇用

復興にあたっては、まず、(1)被災地域で就業を継続する人への支援が必要となります。雇用機会の4類型の特性に応じ、地域住民の生活再建支援や自律的に復興する産業の地域外移転を防ぐための物流インフラ、ライフライン等の確保を図ることに加え、一定の経営資源集約化、大規模化等による産業の経営体質強化が不可欠です。

次に、(2)被災地域の雇用の受け皿を広げるための新たな産業創造による雇用創出のため、税制、補助金、規制緩和をターゲット業種について、1国2制度となる経済特区の設置などの取組が必要となります。

しかし、本震災の被害は、過去の震災に比べられないほど広域にわたっていることから、地域の産業が復興し、新産業が創出されてもカバーしきれない失業が生じ、被災地域外へ転出せざるを得ない人が大量に生じる恐れがあります。そのため、(3)被災地域外での雇用確保のための支援として、就職先の確保、生活基盤構築の支援、転職に必要なスキル獲得の支援を通じて、日本全体で受け止めて行くことが必要です。

図表1 雇用機会の類型別にみた雇用確保・創出方策案
図表1 雇用機会の類型別にみた雇用確保・創出方策案

拡大図

なお、今回の提言の詳細は、以下をご覧ください。

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【提言内容に関するお問い合わせ】

株式会社野村総合研究所 震災復興支援プロジェクト 安田、広瀬
E-mail:

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