株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋本 正、以下「NRI」)は、このほど2017年度までの国内を中心とするICT(情報通信技術)主要4市場について、動向分析と規模予測を行いました。本市場予測は、2000年以降毎年実施し、12回目となります。

「デバイス市場」5分野、「ネットワーク市場」8分野、「プラットフォーム市場」5分野、「コンテンツ配信市場」6分野、合計24分野について予測しています。今年は新たに4分野(「公衆無線LAN」「M2M」「O2O」「スマートペイメント」)を追加しました。

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各市場の特徴的な変化

【デバイス市場】
  • 車載情報端末やデジタルカメラなどの多様な専用端末が次第に淘汰され、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末の総称)上のアプリケーションへと移行する。
【ネットワーク市場】
  • 「固定ブロードバンド回線」「法人ネットワーク」「携帯電話回線」の3分野合計で2012年度から5年後に約3,000億円減少。
  • スマートグリッド等のエネルギー領域の成長にけん引され、2017年度のM2M(マシン・トゥ・マシン)市場は約8,700億円に急拡大。
【プラットフォーム市場】
  • BtoC EC(消費者向け電子商取引)市場は、年率10%以上の高成長が続く。
  • スマートフォンがリアルビジネスとネットビジネスの融合を促進し、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)市場が2017年度には約51兆円に拡大。
【コンテンツ配信市場】
  • 電子書籍市場は、2017年度には約3,700億円まで伸長。スマートフォンでのコンテンツ閲覧が増加しサービス競争の活性化が続く。
注)
各市場の定義は【ご参考】をご覧ください。
今回の市場分析や予測の詳細は、単行本「ITナビゲーター 2013年版」として、東洋経済新報社より11月23日に発売されます。
国内のICT市場規模予測 (一部世界市場含む)
国内のICT市場規模予測(一部世界市場含む)
※:
2012~2017年度(もしくは年)の間の年平均成長率。スマート“インターフェース”テレビ市場は、2013~2017年。
各市場のトレンドの詳細
【デバイス市場】
車載情報端末やデジタルカメラなどの多様な専用端末が次第に淘汰され、スマートデバイス上のアプリケーションへと移行する
中国をはじめとした新興国の経済成長による携帯電話普及率の上昇と、スマートフォンの需要拡大によって、携帯電話(スマートフォンを含む)端末の販売台数は、2012年の約14.7億台から2017年には約18億台に成長すると予測されます。カーナビゲーションシステムなどの車載情報端末やデジタルカメラは、中価格帯以下の市場で明らかにスマートフォンによる侵食が無視できない状況にあり、高価格帯で勝負するか、スマートフォンとの連携に活路を見い出さざるを得ない状況となりつつあります。
タブレット・電子書籍専用端末市場は、これまでのような「先進国から新興国へ」という順番ではなく、先進国と新興国で同時に普及が進み、2017年には台数ベースでみた需要の約半分が、新興国で生まれると予想されます。先進国においては、モバイルノートパソコンの代替品として、新興国では1代目のパソコンとして、それぞれ利用が進み、2017年の販売台数は、世界で約2 億2,000万台、日本では約700万台と予測されます。
スマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末の総称)は、豊富なソフトウェアとネットワークを介することで、パーソナルデバイス市場における従来の機器製品間の棲み分けを突き崩しつつあります。
【ネットワーク市場】
ネットワーク市場は縮小が続き、トラヒック増大への対応力が競争を左右する
固定ブロードバンド回線市場、法人ネットワーク市場、携帯電話回線市場を合計した、狭義のネットワーク市場規模は、2012年度の約9兆400億円から、2017年度には約8兆7,200億円へと、約3,000億円の減少が見込まれます。
固定ブロードバンド回線は、無線インターネットへの移行増加を受け、2014年度以降、減少傾向に転じます。2012年度の約1兆7,800億円から、2017年度には約1兆7,500億円へと減少が見込まれます。
携帯電話事業者の電気通信事業収入は、契約回線数が増加する一方で、1契約あたりの平均収入(ARPU)が減少し、2012年度の約6兆4,400億円から、2017年度には約6兆2,900億円へと減少が見込まれます。短期的には、スマートフォンの普及による割引施策の費用負担や、OTTサービス(Over The Topサービス:NHNJapan株式会社が提供する「LINE」など、携帯電話事業者以外が提供するコミュニケーションサービス)の普及によって市場規模が縮小するものの、2014年度以降は回線数増により増加傾向に転じると考えられます。
スマートデバイスの普及によって、ネットワークと端末とが切り離されたことと、トラヒック(通信量)が増大したことにより、再びエリア、速度、料金という“ネットワーク力”の強弱が、通信事業者の競争力を左右すると考えられます。
スマートグリッド等のエネルギー領域の成長にけん引され、2017年度のM2M市場は約8,700億円に急拡大
モノ(機械)同士が通信するM2M(マシン・トゥ・マシン)市場は、2012年度は約1,300億円で、監視カメラネットワークシステム及びホームセキュリティシステムを中心とした、セキュリティ領域が市場の4割を占めています。今後は、スマートグリッドを中心としたエネルギー領域や、セキュリティ領域の急速な拡大にけん引され、2017年度には約8,700億円へと規模が拡大し、そのうちエネルギー領域が約5,500億円と6割を占めると予測されます。
【プラットフォーム市場】
スマートフォンがリアルビジネスとネットビジネスの融合を促進し、O2O市場が2017年度には約51兆円に拡大
BtoC EC 市場は、レストランや美容室などサービス業のEC化やネットスーパーの普及により、2012年度の約10兆2,000億円から年率10%以上の高成長が続き、2017年度には約17兆3,000億円となると予測されます。また、スマートフォンを用いたEC利用が拡大し、リアル店舗(物理的な実店舗)においてもECを利用する場面が拡大するものと見られます。
インターネットサービスを通じて消費者がリアル店舗へ誘導されることで生まれるO2O市場は、2012年度の市場規模は約29兆8,000億円と見込まれます。今後は、スマートフォンやソーシャルメディアの普及に加え、無線LANを活用してローカルサービスを提供する企業の拡大といった要因によって、消費者がO2O消費を増やす環境が徐々に整備され、2017年度には約50兆9,000億円へ拡大すると予測されます。
【コンテンツ配信市場】
スマートフォンの普及により競争環境が変化するコンテンツ配信市場
2012年度のソーシャルゲームの市場規模は、約5,400億円と見込まれます。無料で利用するユーザーを含めたソーシャルゲーム全体の利用者数は、ほぼ頭打ちとなっています。今後は、有料で利用するユーザーの増加が続くものの、その成長率は鈍化し、2017年度の市場規模は約7,700 億円と予測されます。
書籍と新聞・雑誌を合わせた電子書籍の市場規模は、出版社と書店の双方の働きかけによって、電子書籍コンテンツが継続的に供給される環境が整い、スマートフォンでのコンテンツ閲覧が拡大することで、2012年度の約1,400億円から、2017年度には約3,700億円まで伸長すると予測されます。今後は、欧米の大手ネットビジネス事業者の参入によって、サービス競争の活性化が続くと見込まれます。

【ニュースリリースに関するお問い合わせ】

野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 海藤、坂
TEL:03-6270-8100 E-mail:

【ご参考:各市場・分野の定義など】

デバイス市場
デバイス市場
ネットワーク市場
ネットワーク市場
プラットフォーム市場
プラットフォーム市場
コンテンツ配信市場
コンテンツ配信市場

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