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グローバル戦略に必要な二つの視点

コンサルティング事業本部 GPG社会インフラ ヘッド 上席コンサルタント 松本哲

2017/02/27

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NRIでは2014年から、日本企業の海外事業を全社横断的にサポートする体制づくりを進めています。グローバル・プラクティス・グループ(Global Practice Group、以下GPG)という、この取り組みの統括役である松本哲に、日本のインフラ産業分野におけるグローバル戦略のあり方について聞きました。

「インフラ輸出」にビジネスチャンス

――松本さんはこれまでどんな仕事をしてきたのでしょうか。

電力、ガス、石油などに代表されるエネルギー・インフラ産業分野で、日本を代表する電力・ガス会社、プラントメーカー、商社、工事会社、不動産、住宅メーカーなどのお客さまに、経営改革やグローバル戦略の策定・実行支援などを行ってきました。エネルギーやインフラ分野は国のエネルギー政策や自由化政策、温暖化対策とも密接に関わるため、官庁への政策提言、あるいは官庁から出された政策をもとに、ビジネスモデルや企業の事業戦略を組み立てることもしてきました。

日本のエネルギー・インフラ関連企業は現在、海外、特にアジアや米国に活路を求めてグローバル展開を進めています。電力、LNG、石油精製に加え、再エネ、省エネ、原子力、スマートシティ、スマートグリッドなどの日本が得意な分野、鉄道、水など「インフラ輸出」は日本の強みでもり、大きなビジネスチャンスがある分野。そこで私たちも、グローバル事業を進める日系企業やアジア企業の支援を強化しています。

海外事業を支援するプラットフォーム

――NRIでGPGを立ち上げたと聞いています。GPGとは何でしょうか。

簡単に言えば、企業の海外事業支援のためのプラットフォームです。ある事案やテーマに対し、NRIのナレッジや人的リソース、ネットワーク、ソリューションを、社内外横断的に組み合わせて注力できるようにする土台のようなものです。具体的な組織やチームではありません。現在は、自動車メーカーと、エネルギー・インフラ関連企業のグローバル化支援を二つの柱としています。

――なぜ、GPGを始めたのですか。

NRIは、エネルギー、電力、環境、交通、公共政策など多様な領域でコンサルティング支援を行っています。また、情報システムやデジタル領域のソリューションも、さまざまな業種に提供しています。さらに海外には、中国、韓国、台湾、米国、タイ、シンガポール、フィリピン、インド、ロシアなどにNRIの拠点があります。NRIでは、こうした各部門や拠点それぞれが、企業の海外事業ニーズに合わせて、個別に、または連携して、企業のグローバル事業を支援してきました。

ところが、各部門、あるいは拠点だけで企業のグローバル化を支援するには、限界がきています。NRIの各部門それぞれが持つ知見、能力、人員、ソリューションを、ニーズや課題に合わせて戦略的に開発・活用していくことが必要になっています。

NRIの開発分野/不動産、社会インフラ分野のプロジェクト領域

図1 

その国を元気にするための施策

――例えば、どういうことでしょうか。

例えば、安倍政権が推し進める「良質なインフラ輸出」は、その国のGDPをどうやって上げるか、元気にするかという提案であり施策です。となると、その国の地勢、歴史、周辺国や大国との関係、どんな産業・技術が向いているかなどを総合的に把握し産業政策を考えなければなりません。さらに、その国の政府や自治体など、政策筋との関係づくりも重要です。こうなると、従来のように海外現地の拠点や、関係事業部門だけで対応できる話ではありません。

一方、NRIは日本で官庁とともに産業政策をつくり、民間企業とともにその政策を具体化してきた経験があります。また、NRIの他地域の海外拠点や各事業部門と連携すれば、必要な知見やリソースを利用して総合的にサポートできます。これがGPGの体制です。全社横断的に関わることで、より強力に「インフラ輸出」をサポートできると思っています。

政治主導で動く経済

――今後のインフラ分野におけるグローバル戦略において、重要となるポイントを教えてください。

まず一つは、これからの経済は各国の政治主導で動いてくと思っています。閉じられた国家市場において、企業はどのように事業を創り展開していくのか、戦略を立てることがより重要になると考えています。

例えばアメリカでは、トランプ政権がインフラ投資を今後10年間で100兆円増やして雇用をつくろうとしている。水道、鉄道、石油、ガス、道路などのいくつかのインフラ分野に注力するとも言っています。しかしそれが具体的にどうなるのか。いつごろ、どのくらいの予算で、どこで始まるかは、誰もわからない。こうした情報を収集し、国や政策筋との関係も構築しながら事業戦略を立てていくことが、グローバル競争においては大切であり、強みとなるはずです。支援体制もこれに合わせて変えていこうとしています。

またもう一つ、インフラ分野のサービスは、国の発展とともに段階的に成長していきます。現在一番進んでいるのは欧米で、その次が日本、3番目が中国で、4番目がインド、というように。また、規制緩和や制度設計の考え方も、欧米は進んでいて、その次が日本、そして東南アジアというふうに流れがあります。こうした成長の段階があることを把握して、ある地域におけるその業界の流れや発展の方向性などをある程度つかんでおくことも重要です。

例えば、ある企業がインフラ機器のサービスを東南アジアで展開しようとする場合、私たちGPGは、NRIの東南アジアの拠点だけでなく米国の拠点や企業などと連携することで、今後どう対応すればよいかを程度把握し、適切なアドバイスをしていきます。

IoT分野のリード役として

――GPGによるNRIの海外事業支援の強みは何でしょうか?

NRIは、企業の事業支援や、官庁の政策支援に携わってきた実績があります。もちろん、各国ごとに事情は異なりますが、政策筋の人脈づくりやアプローチの仕方などは、私たちが強みとするところです。それをもってグローバル企業の事業成長をより具体的に支援できると思っています。

もう一つ。もともとNRIは情報システムやデジタル分野に精通しています。今後の海外事業はどんな分野であろうと、IoTやデジタライゼーションとは切り離せない。NRIであれば、コンサルティング部門がIoTのリード役として戦略から実行まで十分強みを発揮できると思っています。

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