本調査研究は、厚生労働省の平成27年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)を受けて(株)野村総合研究所が実施した調査研究です。
介護保険制度創設時に「特定施設入居者生活介護」が位置づけられて以来、同サービスの中核を担ってきた有料老人ホームは、15年間かけて着実に増加し、同時に機能の多様化が進んで参りました。また、改正高齢者住まい法によって 「サービス付き高齢者向け住宅」が位置づけられたことにより、多様な事業者の参入が進み、供給も増加傾向にあり、これらの高齢者向け住まい・居住系サービス(以降、「高齢者向け住まい」と称する)は一層多様化が進んでおります。しかし、高齢者向け住まいの多様化は、利用者に対して複雑でわかりにくくするばかりか、政策を検討する上でも、どのような機能・役割を果たす資源がどのくらい存在するかの把握を難しくしている側面があります。
そこで、本調査研究では全国の高齢者向け住まいのうち、無作為抽出された8割の住まい(平成26年7月1日時点で有料老人ホームとして届出を行っている8,451施設、平成27年4月1日時点でサービス付き高齢者向け住宅として登録を行っている住宅3,619施設)を対象にアンケート調査を実施し、機能的・実態的側面からの分析を行いました。さらに、昨年度調査の結果との比較により、俯瞰的に時系列での変化も分析しました。
調査にご協力くださった皆様に感謝申し上げるとともに、ここに報告書を掲載致します。