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ワイヤレスエミュレータ推進シンポジウム開催報告

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2021年3月4日、ワイヤレスエミュレータ推進シンポジウムが完全オンラインにて開催され、zoom・YouTube Liveを合わせておよそ400名の方に参加いただきました。(会のご案内についてはこちらのURLをご参照ください https://www.nri.com/jp/news/event/lst/2021/mcs/wireless/0304

シンポジウムは、主催の総務省 総合通信基盤局長 竹内様の挨拶で始まり、基調講演、プロジェクト紹介、特別講演、パイロットプロジェクトのデモ、そしてパネルディスカッションが行われました。
基調講演では、国立研究開発法人情報通信研究機構 理事 門脇様から、New Normal社会を支える高度ICTに必要なBeyond 5Gの取組について紹介されるとともに、システム設計の難易度が上昇するBeyond 5G時代では高度な無線通信技術を実現するワイヤレスエミュレーション技術の発展が期待されることが語られました。

プロジェクト紹介では、現在総務省の委託研究として進められているワイヤレスエミュレータプロジェクトについて、プログラムディレクター 京都大学大学院情報学研究科 原田教授によるプロジェクト全体に関するご講演が行われ、2020年度に開始されたワイヤレスエミュレータプロジェクトの詳細が紹介されました。

全体に関するご講演に続き、ワイヤレスエミュレータプロジェクトの研究課題である「電波模擬・空間モデル」、「仮想環境対応無線システムの構成技術」、「大規模仮想環境検証基盤」の研究紹介が行われました。
「電波模擬・空間モデル」では東京工業大学 環境・社会理工学院 高田教授より、電波伝搬を仮想空間上で高精度に模擬するとともに、実空間に近い精緻な空間モデルを構築する技術の紹介、「仮想環境対応無線システムの構成技術」では情報通信研究機構 ワイヤレスシステム研究室 研究マネージャー 松村様より、Beyond 5Gを含む多様な電波システムを想定した模擬無線システムの構築やアンテナ放射パターンのモデル化の概要についての紹介、「大規模仮想環境検証基盤」では情報通信研究機構 総合テストベッド研究開発推進センター 研究開発推進センター長 原井様より、模擬無線システムと接続され、電波伝搬モデル等の処理を行うワイヤレスエミュレータの構成や機能の詳細が紹介されました。
これら日本初の取組に対する質問も多く寄せられ、エミュレーションにおける空間モデルの構築や検証機器数の拡大性や、具体的な場面を想定した活用可能性等について、登壇者にご回答いただきました。

特別講演では、電波模擬システムによる周波数共用等に係る調査検討会 座長、コーデンテクノインフォ株式会社 代表取締役社長 真野様による特別講演にて、無線の活用がより進むこれからの時代には、ワイヤレスエミュレータを活用した周波数の効率的な利用が必要であることが説明されました。

パイロットプロジェクトのデモでは、原田教授よりデモの説明の後、株式会社OTSL 事業本部 AI・自動運転事業部 事業部長 錦織様による実演が行われました。実演では、研究開発中のワイヤレスエミュレータに構築された模擬環境において、自動運転を行う自動車に搭載された車載レーダの電波や都市部に設置されたスマートメータから発せられた電波がエミュレーションされ、ディスプレイに投影された模擬環境上にその結果が実時間に沿いリアルタイムで表現される様子がプロジェクト開始後初めて公開されました。

シンポジウム最後に行われたパネルディスカッションでは、講演いただいた真野様にモデレータを担っていただき、パネリストとして原田教授・高田教授・松村様・原井様をお迎えするとともに総務省 総合通信基盤局 電波部 基幹通信室長 荒木様が登壇され、研究開発中のワイヤレスエミュレータにより実現できること、またそれが機器・サービス開発に取り組まれる事業者や研究機関に多方面のメリットがあることについて意見が交わされ、また聴講者から投稿されたご質問をモデレータの真野様が紹介し、それに対しパネリストの方々がお答えするなど、活発な議論が行われました。
最後にはモデレータ・パネリスト全員から、このワイヤレスエミュレータの将来展望が語られる形で会を締めくくりました。

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