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NRI トップ ソリューション・サービス 岡三アセットマネジメント様で、「SmartBridge Advance」が稼働

お客様事例

岡三アセットマネジメント様で、「SmartBridge Advance」が稼働

岡三アセットマネジメント 様
ソリューション:SmartBridge Advance

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 2013年3月16日、岡三アセットマネジメント様(以下、敬称略)において、「SmartBridge Advance」が稼働した。

 「SmartBridge Advance(以下、SBA)」は、運用会社のファンドマネージャーやトレーダーが担うフロント業務全般を支援するソリューションである。大きく、①ファンドマネージャーの業務を支援するポジション管理機能、②トレーディング業務向け取引注文管理(OMS)機能、③ポスト・トレード業務向けバックオフィスシステムへの約定データ自動接続機能、④コンプライアンスチェック機能、の4つの機能で構成されている。フロント業務の中でも特に、①のポジション管理機能、③のバックオフィスシステムへの約定データ自動接続機能は、システム化が難しいとされており、運用会社の多くがEUCやマニュアルで対応している。SBAは、それらのシステム化を実現するだけではなく、①~④までの機能を同一のプラットフォームで稼働させることで、ファンドマネージャー、トレーダー、ポスト・トレード業務担当者がそれぞれ、各業務の進捗状況をリアルタイムで共有することができるようになっている。

 SBAはまた、上記①~④の機能別に、資産単位別(国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、為替、先物、信用、短期資産(CD/CP/現先/レポ/コール))と外部委託機能に分かれており、各運用会社が必要とする部分のみを導入することができる。今回、岡三アセットマネジメントでは短期資産(CD/CP/レポ/コール)及び外部委託機能を除く全機能・全資産を導入する。

最良執行を求めてシステム更改

企画総務部・システム部担当 加藤道高取締役
企画総務部・システム部担当
加藤道高取締役

 岡三アセットマネジメントでは今まで、②のトレーディング業務については他ベンダーのパッケージと自社開発したシステム等で業務を行っていた。その他のフロント業務については、マニュアルやEUCで対応してきた。

 このように、トレーディング業務については一部自動化がなされていたが、売買注文を取引所に直接行う「ダイレクト・マーケット・アクセス(DMA)」、売買執行に関する戦略の策定をシステムで自動的に行う「アルゴリズム取引」、PTS市場を含む複数市場から最良の市場を選択して注文を執行する「SOR発注」など最新の売買執行環境を整えたいと考えていた。更に、トレーディング業務と密な関係にある①と③にも対応できるシステムの更改を検討していた。

 システム担当役員の加藤道高取締役は、フロントソリューションのシステム更改について「一番の理由は、一人あたりの生産性の向上です。投資家のニーズの変化に対応した商品をタイムリーにつくったり、カスタムメイドの私募投信をつくることでファンド数は増えていきます。しかしファンドの増加に合わせて人を増やすことはできません。ルーティンワークのものや、目視でチェックしているようなものをシステム化することで、マンパワーを企画的なもの、プロフェッショナリティが求められるものに重点配分できるようになります。そうすることで社員のモチベーションもあがります。システム更改はこの先をにらんだ先行投資と考えています」と語る。

 「二番目の理由は、最良執行の環境を再構築することです。システム化によって、トレーディング業務はもちろんのこと、フロント業務全般を一気通貫することで、ファンドマネージャーからトレーダーまでの業務フローの時間を短縮し、トレーダーの事務作業的なオペレーションを軽減することにより、トレーダーのプロフェッショナリティを従来以上に発揮できる環境を整えることができます。ファンドマネージャーとトレーダーそれぞれのプロフェッショナリティが発揮されれば最良執行につながります。これは、一番目の理由にもつながります」と続けた。

SBAを選択した理由

システム部 大賀志部長
システム部
大賀志部長

 岡三アセットマネジメントでは、OMS導入について複数のベンダーのシステムの比較検討が進められていた。システム部長の大賀志裕一氏は「以前紹介を受けた時のSBAは、トレーディング機能しかなかったため、検討対象から外れていました。別のシステムに決まりかけた時、SBAがフロント機能を網羅的に装備していることを知り、もう一度比較することになりました」と語る。決め手となったのは、投資信託のバックオフィス業務全般を支援するNRIのソリューション「T-STAR」との接続だ。資産運用会社では、①正しく会計処理を行うための接続(SBAからT-STARへの接続)、②運用成績向上に不可欠なポートフォリオおよび運用資金額の情報をファンドマネージャーに提供するための接続(T-STARからSBAへの接続)、2つの観点でフロント業務システムとバックオフィス業務システムを連係する必要がある。加藤氏は「運用会社は、決まった時間に基準価額を算出する必要があります。これは絶対に守らなくてはなりません。いかに魅力的な機能を備えたフロントシステムでも、「T-STAR」に接続できなければ基準価額は算出できません。SBAであれば「T-STAR」との接続は担保されています。仮にSBAのシステム設計が変わったとしても、必ずT-STARとの接続は考慮されていますし、その逆もしかりです。しかし、他のベンダーのシステムの場合は、そのシステムさえ動けばいい訳ですから、T-STARとの接続についてのリスクはすべて運用会社が負うことになります。結果、経営判断として、SBAに決定しました」と語る。

導入スケジュール

 2012年5月、岡三アセットマネジメントでSBA導入が決定された。資産ごとに、4段階に分けてリリースすることになり、2013年3月16日に第1弾である国内株式と外国株式をリリースした。大賀志氏は「NRIがリリーススケジュールを提示してくれましたが、それは私が見ても最短のスケジュールでしたので、そのスケジュールでお願いしました」と語る。また、「本番開始前に、オペレーションに不安が残ることを伝えたところ、リリーススケジュールが遅延しないようにNRIは特別プログラムを組んで、時間外に連日通ってオペレーション指導の個別対応を行ってくれました。また、ブローカーとの接続テストもすべて立ち会って頂き本当に助かりました」と語る。

 第2弾は「為替」、「信用」で、7月5日に無事リリースした。「信用」については、SBA導入を決定した時点では、岡三アセットマネジメントの運用資産に含まれていなかったため、提供範囲から外れていた。しかし、商品提供上の必要が生じ、第2弾のリリース時に「信用」を組み込むことになった。加藤氏は「当初は、そんなに広げるつもりはなかったのですが、社内からできるだけ多くの資産を同一のシステムで処理したいとの要望が強かったため、「信用」も提供してもらうことにしました」と語る。

 大賀志氏は「リリース後も、当社の信用取引の商いが多い日については立ち会いにきてくれるなど、ポイントポイントをおさえてくれているので信頼できます」と語る。

 今後のリリース予定については、第3弾として「債券」を2013年12月、第4弾として「先物」を2014年3月にターゲットをおいて、準備を進めている。

標準機能をできるだけ活用する

 SBAを導入するにあたって、岡三アセットマネジメントは、運用実施計画(例えば、月間で、どの銘柄をいくら売買するかといった計画)の作成をSBAでできるようにしたいと考えていた。実施計画は、SBAが担うフローの前段階で作成するものであるため、もともとのSBAの標準機能にはなかった。運用実施計画は、会社によってその作成方法やチェック方法などは様々である。すなわち岡三アセットマネジメントの仕様通りに作りこめば、他社は違和感を感じる可能性もある訳だ。自社の仕様を忠実に再現することを望むならば、カスタマイズやEUCでの対応となる。そこで、岡三アセットマネジメントとNRIは知恵を出し合い、他社でも使える機能にするにはどうすればよいかを追求し、結果として、SBAの標準機能を利用しEUCでの対応は極力減らすこととした。大賀志氏は「当社では、SBAの使い勝手がよくなることを望んでいます。それは、運用実施計画の作成に限ったことではありません。SBAの標準機能の優れた部分を社内業務フローに取り込むことも考えられます。また、どの運用会社にも必要と思われ、かつ当社内でも重要な部分については、SBAの標準機能への搭載をNRIと考えていきたいと思っています」と語る。

 加藤氏は「EUCで作り込むことも時には必要だと思いますが、EUCで作った機能に対しては保証が必要です。その技術や機能を引き継いでいくには、必ず人材の問題が出てきます。EUCを増やすことは、自分達でリスクを膨らませているのと同じです。ですから、SBAの標準機能を拡張してもらい、一方で社内の業務フローの改革を進めていくことが最善策だと思っています」と続ける。

 SBAは、導入後も無償の枠で定期的に機能をアップさせている(定期バージョンアップ)。ユーザーからいただいたリクエストを、他のユーザーにもヒアリングして、追加機能を検討する。大賀志氏は「なかなか共同利用型のシステムでは、ユーザーの声を汲んでバージョンアップに反映させていくことは難しいと思いますが、SBAではユーザーの期待に応えてそれをより進めてほしいと思います」と語る。

導入後の効果

 先行してリリースされた国内株式、外国株式、為替、信用は、どのような効果をもたらしているだろうか。

 大賀志氏は、「照合機能による業務効率化は、期待以上のものがあります。例えば国内株式について言うと、注文をするとその後、時々刻々と出来が入ってきます。1日の終わりにはブローカーから約定があがってきます。当然のことながら、注文と出来と約定の3つのデータが整合性を持っていないとおかしいわけです。SBAでは、ワンタッチですべての照合ができます。3つとも照合ができるのがよいですね」「外国株式のファンドマネージャーからは“実際の資金の動きが先日付で分かるところや、外株の約定確定後、為替売買を実施するまでの一連の流れがファンド別、通貨別に確認できるところが便利”という社内評価を得ています」と語る。

SBAへの期待

 「T-STARと同様に、SBAもデファクトスタンダードになってほしいです。SBAがデファクトをとることで、ブローカーサイドもSBAとの接続を考えて設計することが普通になり、それはセルサイド側の負担も減らすことにつながります。そうなれば、SBAが本来持っている機能を更に引き出せ、バイサイド、セルサイド双方にとってメリットが出てくると思います」と、加藤氏は語った。

 NRIでは、SBAがデファクトスタンダードになることで、よりSBAの機能が発揮されると考えている。ユーザーの皆様の意見を取り入れ、先進かつ実用的なフロント支援ソリューションを目指していきたい。

お客様プロフィール

岡三アセットマネジメントは、岡三証券グループのアセットマネジメントビジネスの中核企業。2014年10月には、創立50周年を迎える。2013年9月末現在、投資信託の純資産総額は1兆3,550億円。

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導入事例詳細

ファイルサイズ:714KB

※組織名、職名は掲載当時のものです。

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