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視点

デジタル化とデータアセットの重要性

2018年6月号

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    近年、デジタル化への対応が日本企業にとって大きな経営課題となっている。特に自動車産業においては、コネクティッド(デジタル化により自動車が外部環境とつながることで生み出される新しいサービス)や自動運転などにいかに対応するかは、企業の生き残りにも関わる重要な課題である。
    そこでまず、「顧客」という視点から、自動車をめぐるデジタル化について考えてみよう。大きなポイントは、デジタル化が顧客(消費者)による「保有」から「利用」への移行を大きく加速するという点である。
    野村総合研究所(NRI)の「生活者インターネット調査」(2017年8月)では、「自動車は購入ではなくレンタルやシェアリングでもよい」と回答した人が20%にまで達した。この背景として、都市部の駐車場確保の難しさや料金の高さもあろうが、スマートフォンの普及など、デジタル化によってカーシェアリングのサービスが使いやすく安価になったことが大きい。国土交通省が「都市における人の動き」として2015年に発表した資料に基づいて計算すると、全国の都市部での自動車の平均稼働時間は平日で約28分、休日でも約37分でしかない。デジタル化は、稼働していない資産の有効活用を可能にし、消費者を「利用」に導く大きな力があるのだ。
    さて、デジタル化がさらに進展したとき、「利用」の先の消費者ニーズのキーワードは何になるのか。それは「進化」ではないかと思う。先日お会いした中国のある電気自動車メーカーの社長は、「電話がフィーチャーフォンからスマートフォンに大きく変化したように、これからは自動車もスマートカーに変化していく」と力説された。消費者は、多くのサービスやフィーチャー(機能)があらかじめ搭載された製品を購入前にあれこれ選ぶよりも、買った後でサービスや機能を増やし、自分好みにカスタマイズしていくことを求めている。消費者の次のニーズは「スマート」(自分に合わせた賢い進化)」である。この中国のメーカーは、今まさに「スマートカー(進化する車)」をコンセプトに開発を進めている。

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執筆者情報

  • 中島 久雄

    執行役員
    コンサルティング事業本部 副本部長

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。

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株式会社野村総合研究所
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E-mail: kouhou@nri.co.jp