バランス・スコアカードとは
企業業績を定量的な財務業績のみでなく、多面的に定義し、それらをバランスよくマネジメントしようとする経営管理手法。
バランス・スコアカード(BSC)は、1990年代初頭に米国ハーバード・ビジネススクールのロバート・S・カプラン教授と経営コンサルタントのデビッド・P・ノートンの両氏により開発された経営管理手法です。
4つのバランス
企業業績を(1)財務業績に加えて、(2)顧客、(3)内部プロセス、(4)組織能力といった4つの視点で幅広く定義し、それらのバランス(短期的な成果から中長期にわたる取り組みの成果)を保ちながら、企業の財務業績を中長期的に実現します。
BSCは、90年代に米国、欧州、アジアの主要企業に浸透し、99年頃、日本でも導入する企業が相次ぎました。日本企業の場合は、すでに運用されている予算管理制度や目標管理制度と連動させつつ、戦略目標間の関連性に注目しながら、「成果+プロセス評価」をより明確に再構築するケースが多く見られます。
普遍的な経営管理モデルへ
日本企業では、リコー、関西電力、シャープといった企業がBSCに注目し、自社流に開発導入しました。これらの企業は、現場の従業員がその考え方を修得したときに、全社業績へプラスの効果があることに気づき始めており、BSCをさらに普遍的な経営管理モデルへ高める努力を始めています。
バランス・スコアカードのコンセプト図
(出所) Robert S.Kaplan and David P.Norton, “Using The Balanced Scorecard as a Strategic Management System,” Harvard Business Review(1996年1・2月号)よりNRI作成