アルゴリズム取引とは
アルゴリズム取引とは、証券会社が管理するコンピュータが、自動的に株式売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す取引のことです。
株式手数料の完全自由化が行われた1999年以降、委託手数料は低迷し、証券会社内でのコスト削減が求められ、その一方で、運用会社のトレーディング業務が専門化し、高度な執行が証券会社に求められるようになりました。これらを背景に、トレーディング業務を自動化するアルゴリズム取引が注目を集め、2004年頃を境に広く普及をし始めたのです。
初期のアルゴリズム取引は、過去の出来高から決められた執行スケジュールに従って、順次注文を行う単純なものでしたが、やがて人間のトレーダーの思考や感性を真似て、複雑かつ俊敏な動作を行うアルゴリズムが現れてきました。相場の状況に応じて執行スケジュールを変更するものや、僅かな時間に素早く注文を行い、有利な気配を確実に捉えるものも開発されています。アルゴリズム取引は証券会社のマーケティング戦略上、重要な位置を占めるようになっています。
資産運用会社における日本・アジア株式トレーディングに関する実態調査より
NRIが2013年9月に行った日本国内にトレーディング部門を置く資産運用会社に対する調査※では、アルゴリズム取引を利用していると回答した会社の内、「3年前と比べてアルゴリズム取引の利用が増えた」と答えた会社が8割にのぼりました。
プリンシパル取引 | 取引所を通すことなく証券会社が顧客との取引相手となり、自己の勘定で売買を成立させる取引 |
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計らい取引 | あらかじめ取引の条件を定めて、その範囲内で証券会社のトレーダーに執行の裁量を委ねる取引形態 |
アルゴリズム取引 | 証券会社が管理するコンピュータが、自動的に株式売買注文のタイミングや数量を決めて注文を繰り返す取引 |
DMA取引 | 証券会社の提供する電子執行インフラを経由して、資産運用会社から取引所に直接注文を出す取引 |
アルゴリズム取引やDMA取引など電子取引が増加したことにより、電話で直接会話する機会が減ったことや、証券会社のセールストレーダー体制が縮小したことなど、証券会社とのコミュニケーションが減ったと答えた資産運用会社は約半数に上りました。
一方で、アルゴリズム取引で出してもよい注文を、敢えて計らいで出すことがある、と答えた資産運用会社は実に8割以上であり、計らい取引でブローカーと話をすることにより、市場や特定の銘柄に関する情報を得たいという回答も多く、コミュニケーションを必要としていることもわかりました。
証券会社には今後、資産運用会社の執行サービス利用実態やニーズに即したサービス提供が求められます。
調査内容
調査名 | 資産運用会社における日本・アジア株式トレーディングに関する実態調査 |
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実施時期 | 2013年8月19日~9月17日 |
方法 | 調査票を発送・回収とも郵送 |
対象 | 日本国内にトレーディング部門を置く資産運用会社(年金、投信、信託銀行、生命保険)のうち、運用資産総額上位60社。主にトレーディング部門の責任者に回答を依頼 |
有効回答数 | 28社 |