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ChatGPTとは

ChatGPTとは、文章(テキスト)で質問したことに対して、その意味や目的を理解し、適切な返答を生成してくれる会話型AIサービス、あるいは、その元になっている会話型言語モデルのことです。2022年11月に人工知能を研究する民間団体である「OpenAI」により発表されました。一般の人向けに無償で提供されているサイトもあり、誰でも自由に質問することができます。
深層学習アルゴリズムを用いた大規模な言語モデル(人間が話したり書いたりする言葉を単語の出現確率でモデル化したもの)であるGPT-3.5シリーズをベースに、より人が好ましい(意図に合致する)と感じる返答をするように学習されています。
(読み:チャットジーピーティー)

GPT3.5シリーズが元になった言語モデル

OpenAIが開発したGPT(2018年)、GPT-2(2019年)、GPT-3(2020年)に続く、最新の大規模言語モデルです。OpenAIは2020年7月に、桁違いに膨大なテキストデータを用いて学習することで、再学習(ファインチューニング)を必要としない高性能な言語モデル「GPT-3」を発表しました。(GPT-3の用語解説はこちら
GPT-3はAIが生成したとわからないような、もっともらしい文章を生成できることで話題になった一方で、意味がない文章、不正確な内容、非道徳的な文章を生成することがあるという問題が指摘されていました。このようにAIが人間の目標や意図と一致しない行動をする問題のことを、AIにおけるアライメント問題(Alignment Problem)と呼びます。OpenAIは2022年1月に、このアライメント問題を解消するため、人間からのフィードバックをもとに強化学習を行う手法(RLHF:Reinforcement Learning from Human Feedback)を取り入れた「InstructGPT」を発表しています。このInstructGPTの手法で2022年初頭以前のテキストとコードを使って学習させたモデルがGPT-3.5シリーズになります。

ChatGPTの特徴

ChatGPTは、GPT-3.5シリーズをベースに、人間のAIトレーナーがユーザー(人)とAIの両方の立場で会話したデータを用いて再学習されています。これにより、ユーザー(人)の問いかけに対して好ましく(意図に合致する)、適切な返答ができる会話型AIサービスを実現しています。
ChatGPTは、ユーザーからの質問に対して応答するだけでなく、文章の校正・要約、翻訳、文章(物語・詩など)生成、プログラミングコードの生成などの様々なタスクを実行でき、英語だけでなく日本語を含む複数の言語に対応しています。ただし、2022年初頭以前のデータを使い学習させているGPT-3.5シリーズがベースになっているため、最新の情報(2022年以降に起こったこと)に関する質問に対して正しく回答ができない場合があります。

ChatGPTの提供形態

2023年2月時点では、ChatGPTは次のような提供形態を取っています。2023年2月1日に発表された有償の「ChatGPT Plus」は、応答のレスポンスがより高速化し、利用者が多い時間帯でもChatGPTが利用でき、新機能や改良に優先的にアクセスできるプランになっています。
マイクロソフトは自社のクラウドサービス「Azure OpenAI Service」でOpenAIが開発したGPT-3、Codexなどの高度な言語AIを提供していますが、ChatGPTもこのサービスに追加する予定と発表しています。これにより、マイクロソフトのクラウドサービスが提供するセキュリティやコンプライアンスの環境でChatGPTを活用した仕組みを構築できるようになります。

1 ChatGPT OpenAIサイト上で提供される無償版
2 ChatGPT Plus OpenAIサイト上で提供される有償版(月額$20)
3 ChatGPT API API経由でChatGPTを使える機能
4 Azure OpenAI Service マイクロソフトのAzure上でChatGPTを提供予定

ChatGPTの類似サービス

近年、生成系AI(Generative AI)と呼ばれる、文章、画像、音声などのコンテンツを人工的に生み出すAIに注目が集まっています。ChatGPTは、文章を生み出す生成系AIの一種ですが、OpenAI以外の企業でも同様の取り組みが広がりつつあります。
Googleは2023年2月に自社の開発した大規模言語モデルLaMDAをベースにした会話型言語モデル「Bard」を発表しました。従来のGoogle検索では検索キーワードやそれに類似するキーワードに該当する情報を検索結果として提示していましたが、単一の答えがないような曖昧な質問に対して、情報をわかりやすく整理した回答を提示することにBardを活用する予定だそうです。また、中国のBaidu(百度)も2023年2月にAIチャットボット「ERNIE Bot (文心一言)」を発表しています。

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