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D2C

Direct to Consumer

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メーカーが中間流通を介さず自社のECサイトなどを通じ、商品を直接消費者に販売するビジネスのこと。

上記の定義を基にすると「メーカーによる自社サイトでの直販」も含まれますが、“D2C”という言葉が用いられる場合、2000年代後半辺りから米国のスタートアップ企業を中心に発展したビジネスモデルを指すことが多くなっています。このビジネスモデルとは、オンラインなどを通じて商品や創業の想いに関する世界観などを消費者に直接訴えることで自社のファン作りを行う一方、流通マージンなどを抑制しコスト競争力も高めるなどといった「売上面」と「コスト面」の双方で競争優位を図るものです。

日本市場における米国モデル適用の難しさ

米国ではD2Cのスタートアップ企業が、同業大手破産の引き金(所謂、ディスラプター)となる事例が出た経緯などから「新時代のビジネスモデル」として注目を集め、多くのブランドが誕生してきた一方、日本において米国と同等の勢いが見られるとは言えません。これは、米国と比較して起業家マインドを持つ人口が少なく、スタートアップ企業を中心とした動きに比較的なりづらい点や、スタートアップ企業以外(大手メーカーなど)が展開しようにも、米国のスタートアップ企業とは組織構造から企業文化まで全く異なっており、同モデルの踏襲が難しいことなどが想定されます。加えて、D2Cを日本で展開したとしても、消費者の消費価値観や競争環境の違いなどを基にした不確実性も存在しており、このような背景が日本市場では同等の勢いが見られていない要因となっていると推察されます。

日本市場における対応のポイント

一方で、D2Cは市場環境の違いに左右されずに顧客満足度(CS)を向上させる不変的要素を含んでいます。それは「デジタルによってメーカーが顧客の購買プロセスに横断的に関与できるようになった結果、顧客のより根源的なニーズの充足を直接支援できるようになった」という点です。化粧水メーカーを例に取ると、デジタル時代以前はターゲットセグメントという顧客“層”を対象に、メーカーが化粧水を開発し、小売店等に卸して販売してきました。この時代には、消費者は自身の根底的なニーズ(より透明感のある肌にしたい等)を満たすために、セグメント最適なものの中から自分最適なものを自身で探し、小売店に自ら足を運んでいました。一方で、デジタル環境が整備されたことで、肌状態の診断から(セグメント最適ではなく)個人最適なものをアナリティクスやビッグデータ解析などを通じてメーカー側がプロとして提案し、手元に配送し、IoTで残量を把握しながら自動補充するなどといったことが可能となり、顧客にとっては「より自身に合ったもの」が「より負荷のかからない」形で手に入る環境が整ってきました。多くの日本企業が、このような観点抜きに、先進的技術を用いた断片的なデジタル化を図ろうとしがちですが、骨太な成果を挙げるためには、「顧客の根源的なニーズを直接満たすためにどのような顧客体験(CX)を設計すべきか」「それらを実現するためにどのような顧客接点やその裏側の仕組みが必要か」という技術以前の顧客接点におけるDX戦略の設計が欠かせません。

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