機能別組織とは
営業、生産といった経営機能ごとに編成された組織形態のこと。機能ごとの専門性を高めるのに適している。
機能別組織では、同じ機能の専門性を担当するスタッフが1つの組織に集結するため、スキルや知識の伝達・共有化がしやすく、専門性を高めやすいというメリットがあります。
一方、問題点としては、(1)機能部門間の調整機能がトップに集中するため、会社の規模が大きくなり事業の幅が広がると十分に機能しなくなる、(2)事業に関する責任がトップに集中し、各機能部門の責任があいまいになるといった点が指摘できます。
機能別組織と事業別の組み合わせ
企業の発展段階に照らして考えれば、創業期から発展期において、機能の分化と効率性を追求する場合に適した組織形態であるといえますが、事業の多角化や製品の多様化が進んだ場合には事業成果に対する目的志向が欠如したり、機能間の調整がうまくいかない等の弊害が目立つようになります。
このような理由から、大企業になると純粋な機能別組織だけでなく、事業部組織も組み合わせていくケースが見られます。すなわち、いわゆる本社機能(総務、人事、経理などの部門)を機能別組織として、そこに事業部門を組み合わせる形態をとることで、事業責任は事業部門、必要な機能を提供するのは機能部門、全事業および全機能を統合し責任を持つのは社長、という形態が一般的です。
機能部門が全社を統合
機能別組織が機能するパターンとして、例えば、経理部門の人材が国内拠点および海外拠点の経理機能を提供する場合があります。その企業の独特な管理会計の仕組みを熟知した人材が世界中に配置され、ローテーションしていくことで、その会社の経営システムを機能面から統合してしまうのです。こうした例は人事機能でもみられます。