コトラーの競争地位戦略とは
マーケットシェアの大小に着目し、競争地位に応じた企業の戦略目標を提示する理論。
1980年にコトラーが提案した競争戦略の理論で、マーケットシェアの観点から企業を4つに類型化し、競争地位に応じた戦略目標を提示しています。
コトラーの競争地位の類型化
- マーケット・リーダー
最大のマーケットシェアを持ち、業界を牽引する主導的立場にある企業です。自社のシェアを維持、増大させるだけでなく、市場全体を拡大させることが戦略目標となります。 - マーケット・チャレンジャー
業界で2、3番手に位置づく大企業で、リーダーに挑戦しトップを狙う企業です。市場戦略による利益への影響を分析するPIMS研究によると、一般にシェアが高まると収益性が高まることがわかっています。そのため、攻撃対象を明確にし、競合他社の弱点をつくなどしてシェアを高めることを戦略目標とします。 - マーケット・フォロワー
業界で2、3番手に位置づく大企業ですが、業界トップになることを狙わずに競合他社の戦略を模倣する企業です。製品開発コストを抑え、高収益の達成を戦略目標とします。 - マーケット・ニッチャー
シェアは高くありませんが、すきま市場(ニッチ市場)で独自の地位を獲得しようとする企業です。扱い商品の価格帯や販売チャネルなどを限定し、専門化することで収益を高めることを戦略目標とします。
嶋口充輝の競争地位の類型化
コトラーの競争地位の類型化と並んで有名なのが嶋口モデルで、相対的経営資源の量と質から企業の競争地位を類型化しています。リーダーは全方位戦略、チャレンジャーは差別化戦略、フォロワーは模倣戦略、ニッチャーは集中戦略と、企業タイプごとに戦略の基本方針を明示しているのが特徴です。