三現主義とは
机上の空論ではなく、実際に“現場”で“現物”を観察し、“現実”を認識した上で問題解決を図るという考え方のこと。
三現主義とは、“現場”“現物”“現実”の3つの“現”を重視し、机上ではなく、実際に現場で現物を観察して、現実を認識した上で、問題の解決を図らなければならないという考え方のことです。
情報化時代にこそ重要
企業の情報システムの進展やインターネットの普及により、経営者は膨大なデータや情報を獲得・蓄積することが可能になり、結果として現実を容易に知ることができるようになりました。その反面、「自分の目で確かめ」「自分の耳で聴き」「自分の肌で感じ」「自分で考える」ことをせずに、机上でデータや情報を見ることで、現場で起こっていることを認識した気になり、誤った経営判断をしてしまう経営者が増えています。
企業が蓄積しているデータは、あくまで現状の結果を表しているにすぎず、インターネットで取得できる情報は誰でも手に入れられるものであり、それらのデータや情報だけでは将来に向けた正しい判断は決してできません。
原点に戻り、「自分の目で確かめ」「自分の耳で聴き」「自分の肌で感じ」「自分で考える」ことで初めて、正しい経営判断ができるといえます。
三現主義は企業を成長させる
経営幹部による三現主義の実践は、現場の管理職や一般社員が、経営や技術の向上・改善に対する参画意識を持つことにつながります。そしてさらに、管理職や一般社員の問題を能動的に解決する能力の向上にもつながります。
その結果、収益の源泉である現場が強くなり、企業は成長します。三現主義は企業を成長させるために必要な原理原則なのです。
日本における三現主義
ホンダやトヨタ自動車が、三現主義の原理原則に基づいてモノづくりを行っていることは有名ですが、ホンダやトヨタ自動車だけでなく、花王やP&G、セブン-イレブンなどの優良企業も、経営幹部が現場で一般社員と一緒に問題解決に取り組んでおり、三現主義の原理原則を実践しています。