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選択と集中

Selection and Concentration

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選択と集中とは

特定の事業分野に経営資源を集中すること。多角化から、選択と集中による経営効率で業績向上を図る企業も増えている。

選択と集中は、企業の競争戦略上、得意とする、あるいは、得意としたい事業分野を絞り込み、そこに経営資源を集中することを指します。

多角化から選択と集中へ

日本企業の多くは、高度経済成長から成熟期に差しかかった1980年代に、本業に代わる事業の育成が求められました。当時は終身雇用が一般的であり、リストラによる余剰人員対策の必要もありました。そこで多くの企業が、多角化と称して、本業外の新規事業の開拓を奨励しました。

また、継続的な成長のために、単一事業に頼るのはリスクが高いという考え方のもと、様々な事業分野を保有する総合性が重視されました。

しかし、どんな事業でも競争に勝つためには、相応の経営資源、ノウハウの蓄積、迅速な意思決定を必要とします。一方で、多くの事業を抱え込むほど、1つの事業に投入できる経営資源は限られ、どれも中途半端になることが少なくありません。

北米では、日本に先立つ1960年代にM&Aをテコとした多角化が進展しました。多様な企業を買収して巨大化した企業体はコングロマリットと呼ばれました。しかし、相互に関係のない事業が相乗効果を発揮することはありませんでした。

北米の総合電機メーカーとして世界的に有名なGEも、以前は多角化が進んでいました。しかし1980年代にCEOに就任したジャック・ウェルチは、市場で1番か2番の事業に集中し、それ以外の事業は収益が上がっていても売却か撤退することを宣言しました。これにより、事業が整理され、その後の高成長につながったといわれています。

日本でも進展する選択と集中

GEが選択と集中で経営効率を高めたのに対し、日本の総合電機メーカーは多くの事業を抱え、1990年代の半導体投資競争などで、競合企業の後塵を拝したといわれています。終身雇用が前提の日本企業では、事業撤退による人員整理や事業売却に消極的なことも影響しています。

しかし、近年では、グローバル競争で生き残るため、不振事業の売却や企業統合を進め、得意分野に集中する企業も現れています。日本市場の成熟化とともに選択と集中がより重要となっています。

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