SWOT分析とは
経営戦略の立案を支援するため、企業の外部環境と内部環境を分析するフレームワークのこと。
(読み:スウォットブンセキ)
SWOT分析とは、企業内部の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)、 企業を取り巻く環境における機会(Opportunities)と脅威(Threats)を記述することにより、戦略の構築及び評価を行うフレームワークです。
共通のフレームワーク
企業が市場での競争に勝ち残るためには、自社の状況を適切に把握して、競合他社との比較において優位に立てる戦略を打ち出す必要があります。ここで、企業が自社の目指す姿を経営理念として構築し、どのような市場でビジネスを推進するか、事業領域を明確に定義したと仮定します。その企業の企画部門や各事業部門が、事業領域でどのような戦略を実行すべきかを検討するときの分析枠組みとしてSWOTを活用しながら議論を行えば、各部門が理解しやすい形に分析結果をまとめることができます。また、SWOTは多くの企業で認知、活用されているため、共通のフレームワークとして機能しやすいといえます。
ただし、SWOT分析を行えば必ず戦略の構築と代替案の評価が完成するとは限りません。SWOTとは異なる切り口で戦略を検討することにより、適切な分析を実施している場合も数多くあります。
プロセスの分析には不向き
例えば、食品メーカーA社が新しいインスタント食品を市場に投入するときにSWOTを用いることによって、自社の「強み」を技術力やマーケティング力、「弱み」を製造コストの高さと認識し、「機会」を新たな市場の創造・開拓による先行者利益の獲得、「脅威」を類似商品の出現やファーストフードの低価格戦略と捉えたとします。しかし、SWOTだけでは、原料調達から顧客に消費されるまでのプロセスにおいて最も利益を稼ぐことができる部分がどこか、また、A社はどの事業プロセスを強化して事業を展開すべきかについての示唆を直接的には得られません。
SWOT分析は、あくまでも分析ツールの1つとして活用し、必要に応じてバリューチェーン分析やファイブ・フォース分析など他の分析フレームワークを活用することが、適切な戦略立案には必要です。