CONTENTS
- 中期経営計画における問題点
- 戦略実行力を高めるための方向性
- 戦略実行力を高めるために必要なこと
- 戦略実行力を高めるための前提条件
要約
- 現在、多くの日本企業では中期経営計画には多くの労力をかけている。中期の期間としては3年である場合が多いが、3年という期間では大きく変化する非連続な将来を見据えた像を描くことは難しい。現状の積み上げであれば単年度の事業計画だけで十分である。
- 戦略実行力を高めるには、将来起きるだろうメガトレンドを把握するとともに、10年という長期でのビジョンを策定しなければならない。そのためには、長期の変化を見て自社のポジショニングを考え、その上で、今、この3年で何を行っていくべきかを考えるバックキャスティング型の戦略策定を行うべきである。
- 戦略実行力を高めるために求められるのは、①ビジョンを描く、②戦略策定と推進機能の強化、③戦略実施体制の整備、④全社大での戦略推進力、⑤人材強化がある。②ではさらに、バックキャスティングによる戦略策定と、その戦略を推進する組織機能が必要となるだろう。③は戦略を実施する体制として特に日本企業が弱い実施体制として、ルールメークとリスク管理、さらには本社機能の強化について述べる。さらに、④では、外部、内部へのコミュニケーションと戦略実行力を高める前線への権限委譲、⑤では、これらを支える人材について述べる。
- 戦略実行力を高めるための前提条件として、①中期経営計画の抜本的見直し、②経営インテリジェンスを高める仕組み、③経営陣の一貫性ある実行力の強化、がある。
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