CONTENTS
- 調剤薬局における変化
- 国内・海外事例とデジタル化による将来像
- 今後、求められる変化
- 提言
要約
- 調剤薬局の業務は、従来の処方薬の引渡しという対物を中心とした業務から、患者の方を向いた対人業務へと変化する大きな変曲点にある。地域包括ケアの推進の一環として、薬局はかかりつけ薬局としての機能を持つことが求められ、他の医療従事者との連携の推進や24時間体制の患者相談対応など、新しいあり方を提示することが求められている。一方で、現在の調剤薬局は、薬剤師の不足や管理コストの増大などさまざまな課題を抱えており、新たな投資が難しい状況にある。
- 新しい調剤薬局のあり方を支える上でデジタル化は不可欠である。現時点のデジタル化に着目すると、調剤分野においては特に、セルフメディケーション、遠隔服薬指導、服薬管理、在庫管理の領域においてデジタル化の波が押し寄せている。これらの領域の先進事例を踏まえると、患者と薬剤師の接点増加に起因する薬剤師の役割拡大、遠隔で診療から医薬品受領までのサービスを受けることによる患者の利便性向上、医師や薬剤師などによる患者の正確な服薬状況の把握、経営上負担となっている薬局間の不動在庫の融通など、多岐にわたる効果が期待できる。
- 調剤業務のデジタル化によって、薬剤師に求められる価値は大きく変わる。今後、薬剤師は治療と未病の観点から機能を特化させ、より積極的に患者とのコミュニケーションを図っていくことが求められる。そうした薬剤師の変化の原動力として、デジタルソリューションによる「労働コストの削減」と「コミュニケーション機能の促進」が必要不可欠である。
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