CONTENTS
- 応酬される禁輸措置
- 強化される輸入代替政策
- 輸入代替政策の影響
- 輸入代替政策推進の課題
- まとめ
要約
- ウクライナ危機に端を発した欧米の対ロシア経済制裁による輸出禁止措置は、ロシアの対抗輸入禁止措置を呼んだ。FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連 携協定)、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの自由貿易が推進される世界において、経済制裁に伴う禁輸措置は、合法的非関税障壁として、制裁対象国に国内産業基盤強化の機会を提供する。
- ロシアは、ウクライナ危機前から輸入代替政策を推進しているが、ウクライナ危機後の2014年に「産業の発展及びその競争力の向上」国家プログラムを 採択し、輸入代替産業の育成に一段と力を入れている。
- ロシア政府は今後も引き続き、ローカルコンテンツ規制を強化する意向である。これらは、自動車産業、石油ガス機器、日用品・化粧品などの分野で進 出済みの日本企業にも影響を与える可能性がある。
- これらの国産化の推進は、一方で、消費者の満足度の低下をもたらしている。ロシア製造業の製造能力はいまだに高くなく、さまざまな課題を抱え る。経済制裁の続く間に、これらの課題を解決できなければ、経済制裁終了後に再び、外資系企業の製品に市場を席巻されることになる。それを防ぐための製造能力の向上を急ぐ必要がある。
- 対ロシアの経済制裁は当面続くと見込まれる。1 億人を超える成熟国かつ経済制裁によって生まれた低競争市場への参入を考える日本企業にとって、ロ シア企業との提携の好機と考えられる。
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