CONTENTS
- 非関税障壁を活かし切れないロシア製造業
- ロシア製造業の課題
- ロシア製造業の低い生産性の実態
- ロシア製造業の生産性の向上に向けて
- 在ロ日本企業の生産性向上のためにもロシア企業の協力が必要
要約
- ウクライナ危機を契機に、ロシア企業は、欧米・ロシア相互の制裁の応酬という非関税障壁に守られている。ロシア政府もまた、輸入代替産業育成政策によって、国内産業基盤の高度化に取り組んでいる。
- ロシアの製造業は、依然として多くの課題を抱えている。製品サプライチェーン(原材料の生産から消費者に至るまでの全工程)が自国内で完結していない、設計・エンジニアリング機能を自社で有していない、熟練労働力が不足している、ソ連由来の旧態依然とした組織構造・権限割当・人事評価制度が残っている、などである。
- 生産現場も5Sが徹底されておらず、品質の自工程完結の意識が低く、作業標準化も進んでいない。また、情報システムも、生産管理には使いにくいシステムが標準として利用されているなど、課題が多い。
- 数理、論理、情報分野に長け、優秀なエンジニアが多いロシアでは、製造業のポテンシャルは高い。生産品のタイプ別、企業の規模別に、生産性向上に向けた取り組みを具体的に示したり、旧態依然の組織構造や権限配分、人事評価制度を見直したりすることで、生産性の向上の余地は大きい。
- ウラル山脈以西のロシア(欧州ロシア)だけで人口1億人の市場であり、ルーブル安はロシアから欧州など周辺国への輸出ポテンシャルを増大させている。日本企業も合弁会社設立などを通じて、ロシア企業の生産性改善を実現し、ロシア・欧州市場の攻略機会を獲得することが期待される。
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