CONTENTS
- 競争軸の変化がもたらす地殻変動
- 第4次産業革命の本質が理解されない背景
- 第4次産業革命を生き抜くための処方箋
要約
- 競争軸が変わった瞬間、トップシェア企業であってもその地位は瞬く間に凋落してしまう。ひたひたと足音を立てて近づいてきている「第4次産業革命」であるが、どうやらその足音は日本企業の耳には聞こえていないように思える。実は、「第4次産業革命」は競争軸を大きく変革させる影響をもたらす、天変地異のようなものである。
- 競争軸の変化をももたらす最大の要因に、ものづくりスタイルの変化がある。それがモジュール化である。このモジュール化により、開発のスタイル自体もオープンイノベーション型に変わってきた。しかしながら、多くの日本企業にはこの事実が見えていない。
- 第4次産業革命は、モジュール構造のオープンイノベーションに紐付いている。そのため、非連続な競争軸の変化がもたらされる可能性が極めて高い。この変化に対応するべく、日本の製造業は「協調」と「競争」を峻別したオープンイノベーション環境での戦い方をマスターすべきである。
- 第4次産業革命を生き抜くためには、企業内において長期的視点に基づいたデジタライゼーションを推進することが必須である。加えて、中小企業の場合、CPSを効果的に機能させるために、M&Aなどにより企業規模を現状以上に拡大する必要がある。
- 第4次産業革命時代においては、モジュールの提供企業と、モジュールを組み合わせて一つのサービスにまとめたインテグレーションサービスの提供企業とでは、戦い方が異なる。前者においてはプロダクトアウトの発想で、モジュール構造を他社との関係でどのように設計できるかが最大のポイントになる。後者においては、マーケットインの発想が必要で、特に企業としての体制として、ダイバーシティ性が強く要求される方向で進むと予測をしている。日本の製造業は、マインドセットを伴う新しい改革が必要となろう。
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