CONTENTS

1. ASEANにおけるカーボンニュートラル政策と注力分野
2. 現地における内外資企業の先行的な取り組み状況
3. 事業機会に関する初期考察

要約

1. 欧米で先行するカーボンニュートラルの流れは、ASEAN諸国にも到来し始めている。ASEAN各国は、現状で、将来の到達年度のコミットメントを明示している国は存在していないものの、各国でカーボンニュートラルへの取り組みについて検討が進んでいる。
2. 脱炭素化を含めたグリーン政策を各国別に俯瞰すると、エネルギー、製造業、輸送分野が共通する重点分野と定められている。一方で、個別のアクティビティなどを見ると、各国の取り組みは異なる。
3. 政府による政策立案に先行して民間企業の取り組みは進展しており、既に個別の目標設定や重点アクティビティの実行フェーズに突入している。
4. 現地の大手財閥系企業は、カーボンニュートラルやグリーン化に関する高い目標設定を行っている。また、グローバル大手企業はグローバル本社の方針の下に、各国の政策や目標設定にかかわらず、ASEAN地域におけるカーボンニュートラル達成のために、必要な方策を実行している。
5. ASEANにおいて顕在化するカーボンニュートラル対応に関する事業機会に対して、日本企業は、短期的なものについては早期の機会取り込みのための体制構築が必要であり、中長期的なものについては、現地有力企業を巻き込んだ実証事業の実施、官民連携による制度構築など、将来に向けた布石を打っていく必要がある。

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執筆者情報

• 

  杉本 慎弥

  NRI Consulting & Solutions（Thailand）Co., Ltd.

  Consulting Division

  Manager

• 

  小林 俊也

  NRI Consulting & Solutions（Thailand）Co., Ltd.

  Consulting Division

  Consultant

• 

  劉 泰宏

  Nomura Research Institute Singapore Pte. Ltd. Consulting

  Division, Business Transformation Department

  Department Head

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。