CONTENTS
- コングロマリット経営をめぐる組織運営の論点
- 意思決定構造を改革した事例
- シナジーを生み出す事業間連携を加速させる事例
- コングロマリット企業に求められる組織の修正力
要約
- 多業種にまたがる事業展開を進める企業への風当たりは強い。複数事業を抱える企業グループに対し、経営の複雑性や明確なシナジー創出のストーリーが提示されないことから、コングロマリットディスカウントが指摘されている。
- コングロマリットディスカウントは、複数事業を持つことによるリスクや強みの見えにくさではなく、コングロマリット企業の複雑性がもたらす「組織の歪み」にこそ、その要因がある。コングロマリット企業は事業面・財務面のシナジー創出を求められるが、非効率な組織体制によってそうしたシナジーが効果的に生み出せていないことが企業価値棄損につながっている。
- 本論考では、組織の複雑さの中でもコングロマリットディスカウントを抑える工夫を実践している例として、意思決定をシンプルに行う意思決定構造の改革と、事業間シナジー創出を加速させる事業間連携の改革の事例を紹介する。
- 日本企業は世界的に見ても企業年齢が高く、シナジー創出を阻害する組織の歪みが顕在化しやすい。求められる組織・体制は振り子のように揺れ動くものであり、コングロマリット企業には一定期間ごとに組織やその運営について見直しを行うこと、つまりは組織の修正力が求められる。
- 組織の修正力とは、組織構造改革のPDCAを継続的に回すことである。明確な改革コンセプトの打ち出しとルールづくり・浸透の徹底に加え、組織の状態の定点観測を通じ、潜在的な業務課題をモニタリングする機能を持つことが重要である。
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