CONTENTS
- 顧客価値・社会価値を事業と結びつけるデータ活用
- 辺境での事業モデル変革
- データドリブン組織への変革
- スローガンとしてのDXの終焉
要約
- 総論で提唱した価値循環プロセスを実現し、ここまでの論考で詳述した顧客価値・社会価値向上に取り組むには、提供価値を見極め、価値をデータとして定義し、継続的に収集しなければならない。そのうえで、テクノロジーを使ってデータを具体的なアクションにつなげる必要がある。実現には新しい事業モデルへの変革とデータドリブン組織への変革が必須となる。
- 全社大で事業モデルを変えることは容易ではない。自社に合った新しい事業モデルを探すためには、新規事業として試すことが望ましい。その際は検討のストップ・ピボットを回避するために「本業への貢献」を明確化し、短期の事業収支だけで判断されないようにすること、他社との「事業共創」により検討を迅速に前に進めることを図るべきである。
- データドリブン組織への変革には経営/組織/文化/業務の4つのレイヤーで課題が生じる。それぞれのレイヤーで、ダッシュボードを活用したKPIの「常時可視化」、顧客起点で落とし込んだKPI設定と組織との整合、インセンティブ設計やアンバサダー・エバンジェリスト育成、現場課題起点でのツール開発やナレッジマネジメントといった施策が有効となる。
- 事業モデルの変革とデータドリブン組織への変革の両輪は、まさにDX(デジタルトランスフォーメーション)ともいえる。しかし、DXの名の下に一気呵成に行う全社での取り組みは博打的で、安定した本業を有する大企業にはなじみづらい。①事業モデルを辺境で変えて成功事例にする、②全社をデータドリブン組織へ変革する、③事業モデルを全社で変革していく、というステップが成功のカギとなる。
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