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経営としてDXに向き合う思考技術(後編)

問題意識の成熟度を高める

2023年10月号

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CONTENTS

  1. 生成AIが加速させる企業のAI活用
  2. AI導入の本質は「組織経験知の再現」と「競合差別化」
  3. AI導入における課題と対応方法
  4. 次世代テクノロジーを現場実装・価値創出に導くリーダーシップの要諦
  5. おわりに:「思考技術」を駆使して議論と意識を引き出す

要約

  1. ChatGPTなど生成AIのビジネス利用が加速している中、「自社育成AI」の導入に苦戦・停滞している企業は多い。AI導入のような、高度なデータ利活用を伴うDX推進における課題への対応には、多くの経営的示唆が含まれている。
  2. AIの能力の根源は、企業独自の「因果関係データ」から「組織経験知」を超人的な速さで習得・再現できるところにある。この能力を顧客ニーズへの対応や生産性向上などの価値実現につなげることで、競合差別化を図ることが可能となる。
  3. 他方、未知で異質なAIの導入には困難も多い。適切な期待値を設定すること、AIから価値を引き出す業務上の要求・要件を見抜くこと、現場に現状変更や新たな試みを促すことなど、技術面にとどまらないマネジメント上の難しさが伴う。
  4. 企業変革に挑むには、社内の「問題意識の成熟度」を「Why?→What?→How?」の順番で高めることが必須である。特にAI導入のような深層DXの場合には、「Why?:現状への危機感」「What?:価値ある組織経験知」「How?:現場のAIメンター意識」それぞれの意識と理解の醸成が要諦となる。
  5. DX成功企業の共通点は、経営によって引き出された「議論の質」と「問題意識の成熟度」の高さにある。「思考技術」を駆使し、向き合うべき課題を見極め、目標を指し示すリーダーシップにこそ、DXの成否がかかっている。

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執筆者情報

  • 福原 英晃

    コンサルティング事業本部

    パートナー

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。

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