1988年1月、旧・野村総合研究所（NRI）と野村コンピュータシステムが合併し新生野村総合研究所が誕生した。当時、旧NRIに入社して3年目の駆け出しであった私は合併の意味がわからなかった。リサーチの会社とコンピュータシステムの会社の合併というのは世界でも例がなく、果たして両社間にどのような相乗効果が成り立つのかまったく想像もできなかった。それから30年がたった現在、ITを使ってビジネスモデルを変革する、いわゆるデジタルトランスフォーメーション（DX）はどの企業でも経営の優先課題となっている。そこでは、ビジネスモデルの検討とITが一体となって進められており、今ではコンサルティングとITサービスの相乗効果は当然のこととなっている。
    30年前にこの合併を企図した当時の経営者の慧眼には感服するしかなく、当社はその志をしっかり受け継いでいく所存である。

クラウドサービスを活用したシステム構築が活況を呈するなか、サーバーレスアーキテクチャーへの注目が高まっている。一方で、従来のシステムアーキテクチャーとはまったく異なることがネックとなって導入をためらう企業も少なくない。本稿では、サーバーレスアーキテクチャーの利点と導入のポイントを、事例を交えて紹介する。

事業拡大を目的とする「ビジネスIT」のシステムは、各種の先端技術の中から最適なものを選択し、短期間・低コストで開発する必要がある。一方で、技術は日々進化を続け、ビジネスを取り巻く環境も変化し続ける。本稿では、素早い開発と、リリース後の変化への対応に何が必要かを考察する。

グローバルITガバナンスの重要性がうたわれて久しい。市場が成熟した日本から海外に活路を見いだそうとするなかで、海外拠点へのITガバナンスは避けて通れない課題である。本稿では、筆者のタイでの駐在経験に基づいて、製造業の東南アジア拠点に対するITガバナンス強化に向けた制度設計のポイントを紹介する。

IoTは、デバイスの数も市場規模も急速な拡大が見込まれ、これを活用したビジネスの事例も多くなっている。その一方で、アイデアをビジネスの成果に結び付けることに苦戦している企業も少なくない。本稿では、IoTビジネスの円滑な展開を阻む代表的な要因と、解決のためのアプローチを紹介する。

経営環境が大きく変化するなか、銀行にはビジネス改革とそれを持続させるためのIT部門構造改革が求められている。この2つの改革を支援するソリューションとして、野村総合研究所（NRI）のビジネスプラットフォーム・ITプラットフォーム構築、またIT部門構造改革支援について紹介する。

グローバル化する金融ビジネスにおいて、海外の先進的ソリューションによる課題解決が注目されている。本稿では野村総合研究所（NRI）における金融機関への「Oracle Financial Services Analytical Applications（OFSAA）」（金融リスク管理パッケージソフトウェア）の導入支援事例から、海外ソリューション活用の課題と解決策、組織に必要な能力について説明する。

グローバル企業のセキュリティ統括部門は、事業領域・事業規模・企業文化が異なる各グループ企業に共通の、グローバルWebセキュリティ管理プログラムの構築が求められている。本稿では、グローバル企業がセキュリティ管理プログラムを構築・運用する際に直面する問題点、対応するセキュリティ統括部門が持つべき役割、運営のポイントについて解説する。

• 2017年1月号　特集「グローバルIT戦略の要諦」
• 2017年2月号　特集「クラウド化が進むインダストリアルIT」
• 2017年3月号　特集「金融リバンドリングの行方」
• 2017年4月号　特集「日本企業の攻めのIT戦略」
• 2017年6月号　特集「IoT市場の成長によるソリューション市場の変化」
• 2017年8月号　特集「失敗しないデジタルマーケティング」
• 2017年10月号　特集「デジタル化に向けて企業が取り組むべき3つの課題」