ベルリンの壁が崩壊した時、「民主主義と資本主義の勝利が世界を豊かにする」と、世界中が高揚感に包まれたことを今でも覚えている。これで、欧州連合(EU)は拡大を続けヨーロッパは平和で安定した巨大市場を享受することになり、米国は理念の勝利とともに資本主義の収益を自ら最大化して豊かになり続けていく、と。資本を集積し、大規模な投資による大量生産、大量販売をグローバルに拡大し、資本家だけでなく生産者や消費者を豊かにするという資本主義の理念は、民主主義と同じ方向を見ているはずだったからだ。
しかし、あれから30年の歳月が流れ、資本の増大そのものが自己目的化し、結果として富の異常な偏在を発生させた。そして資本主義の拡大は、リーマンショックに代表されるように、世界の不安定化の最大要因になってしまった。同じ方向を見ていたはずの民主主義と資本主義の「相克」が顕在化したのである。
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