CONTENTS
- 給付インフラの脆弱性が明らかになった日本社会
- 給付インフラとしてのマイナンバー制度
- 真の給付インフラ整備には何が必要か
要約
- 2020年3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大が日本社会・経済に大きな影響を及ぼす中で、日本の社会インフラが持つ各種の脆弱性が明らかになった。その中でも特に国民に対する支援を届けるための給付インフラの脆弱性は、今回のような緊急時には日本社会の足かせにもなりかねない点で深刻である。
- 今回の新型コロナウイルス対策として、布マスクや特別定額給付金など、国民へのモノ・カネの直接給付が行われたが、その成果以上に給付の遅れなどの不備に関する非難が多数挙がる事態となった。これは、日本の現在の給付インフラが「本人確認」と「本人特定」の二つの点で課題があることに起因すると考えられる。
- 一方、米国では社会保障番号(SSN)を給付インフラの個人IDとして活用することで迅速な給付を実現するなど、海外各国では番号制度などを給付インフラとして有効活用していると報告されている。
- 日本においても、番号制度であるマイナンバー制度を給付インフラとして有効活用するための検討が政府や国会で進みつつある。その際に、①特定の緊急時のみではなく広範囲な給付での利用を明確化すること、②金融機関などの民間サービスとの連携を行うことで「生活全般にかかわるインフラ」と位置付けるとともに給付インフラの情報更新を常時行えるようにすること、が望ましいと考えられる。
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