CONTENTS
- 自動車産業のサーキュラーエコノミー化に対する社会的要請の高まり
- サーキュラーエコノミー化による自動車産業の競争軸の変化
- サーキュラービジネス拡大の阻害要因と今後の見通し
- 日本型サーキュラービジネスのあり方に関する提言
要約
- 資源の効率的・循環的な利用を目的として、各国で環境保全関連の法制度化(EPR:拡大生産者責任)や、環境NGO(非政府組織)による脱炭素要求など、自動車のサーキュラーエコノミー化に関する社会的要請が高まっている。自動車利用者(個人/法人)の環境志向化とも相まって、自動車産業全体として持続可能な社会形成のためのサーキュラーエコノミー化が促進されている。
- サーキュラーエコノミー化への社会的要請の高まりを受け、自動車産業の競争軸は、新車製造から中古車の廃棄までのライフサイクル全体での、CO2排出量を含んだTCO(総保有コスト)の最適化へ変化していく。主要自動車メーカーは、環境価値と経済価値の両立に向け、技術開発および車両提供モデルの観点から競争軸の変化に対応した検討を進めている。
- 一方で、これまでリビルド/リユース/リサイクルなどのサーキュラービジネスは、①既存事業とのコンフリクト、②エンドユーザーのサーキュラー部品への品質懸念、③外部企業との機能連携の必要性、などが阻害要因となり、十分に社会に定着しているとはいえない。しかし、脱炭素化の潮流が阻害要因を解消し、今後、サーキュラービジネスが本格的に立ち上がる見込みである。
- 日本式サーキュラービジネスのあり方として、一部の大手企業が垂直統合的に事業展開するのではなく、製造事業者と販売・サービス事業者がサーキュラーセンターを核として協力する、コンソーシアム型での事業構想を行うことが望ましい。日本の自動車関連事業者は、サーキュラービジネスの拡大を先読みし、戦略的な機能構築を進めるべきである。
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