CONTENTS
- 「PBR1倍割れ問題」の経緯と企業・投資家のアクション
- PBRの本質
- 「PBR1倍超」経営の実現に向けて
要約
- 企業価値向上は重要な経営課題である。東京証券取引所は、上場企業の約半数のPBRが1倍未満である実態を受けて、2023年1月に要請を出した。その内容は、とりわけ継続的にPBRが1倍未満の上場企業に対して、資本収益性の改善に向けた方針や取り組み、その進捗状況の開示を求めるものである。
- この「PBR1倍割れ問題」に対する企業・投資家の関心は高く、PBR改善に向けた施策の公表や株主提案、また短期的に自社株買いなどを予定する企業が現れている。
- しかし、持続的なPBRの改善には、短期的な資本政策だけではなく、FCFの増加やROEの向上、株主資本コストの低減という本質的な取り組みが求められる。より具体的には、事業の「稼ぐ力」を直接示すROIC、ROICと資本コストとの差を表すROICスプレッドやEVAといった指標の活用が有効となる。
- 「PBR1倍超」経営の実現には、「成長」と「稼ぐ力」の両輪からなる骨太な経営戦略を策定し、その実現に向けて組織や経営の仕組みを整えていくことが重要である。そして、戦略および組織や経営の仕組みの構築を併せた企業価値向上のストーリーを、投資家に対して分かりやすい形で提示する必要がある。
- 投資家との対話の充実に取り組む企業は多いが、依然として企業と投資家との間には認識のギャップが大きい。対話力向上のためには、管理部門や事業部門との横串機能を持つIR専任部門を経営トップ直轄組織として設置することが有効だろう。
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