CONTENTS
- 国内航空機産業における環境変化
- グローバルプレイヤーの戦略
- カーボンニュートラルによる先進技術の進展と産業への影響
- 航空機産業における戦略方向性
要約
- 近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による航空需要激減に加えて、国産完成機として期待が高まっていたMSJ計画中止も重なり、日本国内の航空機製造産業は逆風下にさらされていたが、足元では市場回復が急速に進んでいる。長期期な観点では、グローバルでのサプライチェーンの変化や航空機の脱炭素化に向けた技術革新などへ目線を向けることの重要性が増している。
- 機体OEMのサプライヤー戦略に焦点を当てると、取引サプライヤー数の減少傾向は共通的に見られる一方、内外製戦略には差が見られる。ボーイングはB787の失敗を活かし、部材内製化へ進む一方、エアバスは一部大型部品をメガTier1に任せるなど、調達範囲の拡大に舵を切っている。上記OEMの動きを受け、サプライヤーの合従連衡が欧米を中心に進展している。また、航空機の脱炭素化に向けた先進技術の活用については、新規プレーヤーと既存OEMで対象技術ごとに棲み分けも進み始めている。
- 日本は諸外国と比べ、M&A件数が低位安定しており、業界内での再編・巨大化/合理化が遅れていると見られる。自社長期戦略のレビューに加えて、M&Aや国際標準化議論への参加といった将来成長に向けたアクションが重要となる。また、新規技術や完成機事業の方針転換などで事業環境が大きく変わった今、ベースとなる産業ビジョンの改定も必要となる。
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