CONTENTS

Ⅰ 各地で進む地域公共交通の再構築議論
Ⅱ ローカル線の例から考える地域公共交通の多面的な価値
Ⅲ 多面的な価値を踏まえた意見対立
Ⅳ 多面的な価値の可視化に基づいた議論
Ⅴ 縮小均衡にとどまらない議論

要約

  1. 長期的な人口減少やモータリゼーションに加えて、コロナ禍が契機となり、全国各地で地域公共交通の将来像に関する議論が進んでいる。これらの議論では、事業収支にとどまらない「多面的な価値」をどのように受け止めるかが論点の一つとなっている。
  2. 代表的な議論として、ローカル線の存廃問題を取り上げる。ローカル線は、事業として見れば収支が非常に悪いものの、観光客の誘客手段や地域の象徴的存在としての役割を指摘する声もあり、議論が膠着状態になることが多い。
  3. 一部の地域では、多面的な価値を整理・可視化することで、鉄道事業者と地域が利害対立を乗り越えて建設的な検討を実施しており、地域における公共交通の役割を再定義する試みとして注目される。
  4. 一方で、出口論が輸送手段の変更や費用負担の変更といった縮小均衡の考え方のみでは、今後も人口減少が進む中で、将来的に問題が再燃する可能性もある。多面的な価値を活かした持続可能な公共交通を構築するためには、①広域での公共交通連携、②移動先の生活サービスとの連携、③交流・関係人口増加策との連携、という新たな視点も必要と考えられる。

PDFファイルでは全文がお読みいただけます

全文ダウンロード(PDF:1.1MB)

執筆者情報

  • 川手 魁のポートレート
    名前
    川手 魁
    所属・職名
    アーバンイノベーションコンサルティング部 地域イノベーショングループ
    シニアコンサルタント
  • 西川 貴のポートレート
    名前
    西川 貴
    所属・職名
    アーバンイノベーションコンサルティング部 インフラSXグループ
    シニアコンサ ルタント
  • 肥後 隼大のポートレート
    名前
    肥後 隼大
    所属・職名
    アーバンイノベーションコンサルティング部 地域イノベーショングループ
    シニアコンサルタント

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。

購読に関するお問い合わせ先

年間購読をご希望される方は、下記問い合わせ先へお願いします

NRIフィナンシャル・グラフィックス
戦略マーケティング部
Tel:03-5789-8251(平日9:30~17:00) Fax:03-5789-8254

※FAXでのお問い合わせは下記お申し込み用紙をご使用ください。

お申し込み用紙ダウンロード(236KB)