CONTENTS

Ⅰ 成熟期を迎えた化学・素材メーカーにおける新規事業開発の重要性と難しさ
Ⅱ 社会課題起点アプローチの導入
Ⅲ 構想力と推進力を持つ組織・体制の構築
Ⅳ 研究者の事業構想力の底上げとボトムアップで事業が生まれる文化・風土の醸成
Ⅴ 新規事業創出に向けた変革のステップ

要約

  1. 既存事業の成熟に伴い新規事業開発を目指す多くの化学・素材メーカーが事業開発に苦戦している。その要因としては、新規領域探索における顧客課題起点アプローチの限界、既存事業に関する研究開発の偏重、研究者の事業構想力の欠如が挙げられる。事業創出に向けては、これら3つの要因を解決することが求められる。
  2. 複雑化する外部環境に対応した領域設定を可能とする手法として、「社会課題起点アプローチ」が挙げられる。本アプローチは、先行者利益を獲得しやすい、領域の転換・拡大がしやすい、ビジネスモデルの検討につながりやすいといった特徴を持つ。
  3. 既存事業に関する研究開発の偏重に対しては、新規事業の構想力と推進力を持った組織の構築が解決策となる。組織設計においては、組織の専任化、ビジネスモデル構想機能と研究開発機能の一体化、異能人材とプロモーターの参画の3点が肝である。
  4. 研究者の弱点を克服するために、事業構想力の底上げとボトムアップで事業が生まれる文化・風土の醸成が求められる。具体的な施策としては、次世代リーダー層や若手エース層の研究者を対象に、外部環境変化や事業構想スキルの理解、社内ネットワークの構築に資する「新規事業創出研修プログラム」を優先的に行うべきである。
  5. 研究開発で既存事業に重心を置いてきた企業が新規事業創出を成功させるためには、社会課題アプロ―チで新規注力領域を策定したうえで、事業開発組織の構築を進め、事業開発に着手することが重要である。並行して、研修を通じた組織強化に資する人材の育成や、ボトムアップで事業が生まれる文化・風土の醸成を図ることも求められる。

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執筆者情報

  • 藤崎 省吾のポートレート
    名前
    藤崎 省吾
    所属・職名
    グローバル製造業コンサルティング部 化学・素材グループ
    シニアコンサルタント
  • 中村 亘希のポートレート
    名前
    中村 亘希
    所属・職名
    グローバル製造業コンサルティング部 化学・素材グループ
    コンサルタント

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