CONTENTS

Ⅰ はじめに
Ⅱ 国内森林カーボンクレジット創出の状況
Ⅲ 森林カーボンクレジット創出拡大に向けて必要な視点
Ⅳ 地域全体でのカーボンクレジットの大規模集約と流通の可能性
Ⅴ 終わりに

要約

  1. 日本における公的なカーボンクレジットの制度としてJ─クレジット制度がある。森林カーボンクレジットは、森林の適切な管理によって吸収されたCO2量を国がクレジットとして発行する仕組みである。対象となる林地面積は広大で大きな潜在的創出余地があるものの、実際に創出している林地面積は数%にとどまる。
  2. 森林カーボンクレジット創出の拡大は地域全体で取り組むことが重要である。地域内での創出ノウハウの共有や関係者間の連携を促進する仕組みの構想検討に着手した地域もある。創出したクレジットの大規模需要家への供給を図るため、複数の林地から得られるクレジットを地域で集約し、需要家の大量需要に効率的に供給する仕組みづくりについても議論が行われている。
  3. 森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、木材などの林産物供給、文化、保健・レクリエーションなど多面的機能を有する。そのため、森林カーボンクレジットは単なるカーボンオフセットの手段にとどまらず、林地が所在する地域の歴史や文化などと結びついた多面的価値の訴求が行われている。
  4. 森林カーボンクレジットは、それを活用する企業の排出量調整とその過程の取引で創出主体が得る収益により、森林整備の推進などさらなる環境価値創出を図るという好循環を生む。森林クレジットを創出した林地が所在する地域での業界や組織を超えた新たな連携や、地域全体の競争力強化の契機として捉える地域も登場している。

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