CONTENTS

Ⅰ 直近5カ年の世界の医療機器メーカーの変化
Ⅱ 成長企業の事例に見る新たな成長機会
Ⅲ 日本企業にとっての示唆

要約

  1. 2014年に「医療機器ビジネスによる事業成長を幻想に終わらせないために」と題した特集を本誌で発表した。その後、5年を経た2019年に、2014年当時と比較した変化について述べた。本特集はさらにその後の5年を経た現在、世界の医療機器市場がどのように変化したかについて分析し、考察する。
  2. 世界の医療機器市場は2018年から年平均6.0%のペースで拡大した。売上規模別に見た医療機器メーカーの収益性における傾向の変化を分析した結果、業界の競争がより激しくなっていることが確認された。またこの傾向は、2014年から2019年の変化と比べて、2019年から2024年の変化の方が競争が激しくなっていることが確認された。
  3. 売上規模別に見る収益モデルは、売上高30億ドル以上の「チャネルメジャー」と呼ぶ企業群と、売上高1億ドル以上3億ドル未満の「技術ニッチ」と呼ぶ企業群との二極化が進展したことが確認された。このような厳しい環境下において、ユニークな活動によって新たな成長機会を獲得し、事業を大きく拡大した企業が存在する。
  4. 2014年から2019年の変化を分析した際にすでに中国企業の台頭が確認されたが、中国企業の台頭は過去10年にわたって特筆すべき変化であった。加えて、直近5カ年で成長した企業に共通するキーワードは「ITやデジタル技術による医療の個別化」である。
  5. 米国アラインテクノロジーの歯科矯正器具、オーストラリアのコクレアの聴覚機器、米国インスレットの糖尿病インスリン投与機器など、いずれもITやデジタルの技術を医療機器に転用し、個々の患者の利便性や安全性を向上する付加価値が特徴的である。これらの事例は、ほかの医療機器の領域にも当てはめて考えることができ、日本企業にとっても新たな事業企画のヒントとなる。

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執筆者情報

  • 松尾 未亜のポートレート
    名前
    松尾 未亜
    所属・職名
    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部
    チーフコンサルタント
    プロフィール

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