CONTENTS

Ⅰ デジタルインフラの整備とともに拡大するASEANの医療機器市場
Ⅱ 中国企業の台頭とASEANにおける競争環境の変化
Ⅲ 日系医療機器メーカーのASEAN事業維持・拡大に向けて
Ⅳ ASEANの事業環境変化にどう応えるか

要約

  1. ASEAN各国における医療機器事業を取り巻く市場環境は、加速する高齢化とCOVID-19を経て大きく変化している。高齢化に伴い、がんや糖尿病、循環器疾患などの非感染性疾患(NCDs)の患者数が増大している。結果として、関連する医療費が増大し医療保険財政を圧迫すると同時に、医療機関における医療従事者のリソースひっ迫を引き起こしている。このような状況下、医療費の削減・医療リソースの効率活用に資する医療のデジタル化が、COVID-19を契機として急速に広まっている。
  2. また、COVID-19後のASEANの大きな事業環境変化として、中国企業のプレゼンス拡大が挙げられる。中国政府としてASEAN各国との関係強化を進めると同時に、個別の中国企業もASEAN各国政府機関・主要医療機関との間で協業プロジェクトを推進している。これらの取り組みは新たなエコシステムの基盤を構築しつつあり、中国製の医療技術・医療機器の導入を加速させる可能性がある。
  3. 医療機器事業を行う日本企業にとって、前述の事業環境変化に対する特効薬はない。ASEAN各国の医療従事者・医療機関のニーズやペインを着実に収集し、応えられる製品・サービスを迅速に企画開発・提案していくことが求められる。限られたリソースの中で推進するには、デジタル技術を活用した現地拠点との情報連携・企画開発の仕組み構築や、不足する機能・ネットワークを補完できる現地パートナーの開拓が求められる。

PDFファイルでは全文がお読みいただけます

全文ダウンロード(PDF:918KB)

執筆者情報

  • Punsua Punnarojのポートレート
    名前
    Punsua Punnaroj
    所属・職名
    野村総合研究所タイ Social Innovation Practice Well-being Consulting Group
    グループマネージャー
  • Supunsaleekhul Orachornのポートレート
    名前
    Supunsaleekhul Orachorn
    所属・職名
    野村総合研究所タイ Social Innovation Practice Sustainability Consulting Group
    コンサルタント
  • Toncharoen Rawissaraのポートレート
    名前
    Toncharoen Rawissara
    所属・職名
    野村総合研究所タイ Social Innovation Practice Well-being Consulting Group
    シニアビジネスアナリスト
  • 吉村 英亮のポートレート
    名前
    吉村 英亮
    所属・職名
    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部
    シニアプリンシパル

※組織名、職名は現在と異なる場合があります。

購読に関するお問い合わせ先

年間購読をご希望される方は、下記問い合わせ先へお願いします。

NRIフィナンシャル・グラフィックス
戦略マーケティング部
Tel:03-5789-8251(平日9:30~17:00) Fax:03-5789-8254

※FAXでのお問い合わせは下記お申し込み用紙をご使用ください。

お申し込み用紙ダウンロード(236KB)