CONTENTS

Ⅰ ヘルスケア企業がSaMDに取り組む意義
Ⅱ 日本におけるSaMDの市場環境
Ⅲ 欧米におけるSaMDの市場環境
Ⅳ SaMD業界への参入課題
Ⅴ ヘルスケア企業が取るべきアクション

要約

  1. プログラム医療機器(SaMD)業界が転換期に来ている。日進月歩で革新が進む最新のAI技術に対応した規制整備が急務であることに加え、アプリ自体が治療効果を発揮するDTx領域でも、国内外のパイオニア企業が経営上の困難に直面するなど、日本市場における事業発展の壁は大きく、今後の戦略見直しを迫られている。
  2. DTxにはさまざまな課題があるが、特に大きい点として臨床効果の証明・説得の難しさが挙げられる。治療方法の特性上、広く認められる臨床エビデンスが示しづらいことや臨床試験費用が高いことに加え、臨床エビデンスを示してもアプリ治療に関する懸念の声が学会などから挙がることもあり、保険償還に至るまでのハードルは非常に高い。
  3. 一方、ユーザー(病院・患者)側の課題として、DTxの患者認知度・使用継続率や病院での採用率の低さなども存在する。DTxで治療できることを患者が知らない、患者が使いたくても提供病院が見つからない、いざ使い始めてもUI/UXの問題でうまく使いこなせない・継続できないなどの状況があり、普及への道のりも容易ではない。
  4. 患者認知度を高めるために、Non-SaMD(SaMDに該当しないデジタルヘルスアプリ)を開発し、広告・宣伝媒体として活用することで患者接点を増やしつつ、臨床効果が得られそうな段階でSaMDとして申請するという二段構えのアプローチも有効である。
  5. また、ヘルスケア企業は、自社が優位性を持つ疾患領域の中でも過去に薬での治療が難しかった症状や、DTxと親和性の高い認知行動療法が用いられる精神科領域に関連するサービス開発を積極的に行うことで、有望なサービスを開発できる可能性が高まるだろう。

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執筆者情報

  • 大久保 華子のポートレート
    名前
    大久保 華子
    所属・職名
    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部 ヘルスケアグループ
    シニアコンサルタント
  • 林 瀅瀅のポートレート
    名前
    林 瀅瀅
    所属・職名
    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部 ヘルスケアグループ
    コンサルタント
  • 竹原 佳歩のポートレート
    名前
    竹原 佳歩
    所属・職名
    ヘルスケア・サービス産業コンサルティング部 ヘルスケアグループ
    コンサルタント

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