CONTENTS
Ⅰ ビル管理人材の人手不足の現状
Ⅱ ビル管理の生産性向上を阻む問題
Ⅲ ビル管理業務効率化に向けて
Ⅳ おわりに:他アセット・インフラのメンテナンス革新に向けて
要約
- ビル管理業務とは、オーナーからの委託に基づきハードウエア面での機能維持や、防災などの危機管理の役割を担うものである。同業務を担うビル管理人材には、電気主任技術者の資格が必要となる。この電気主任技術者は、少子高齢化・IT人気の高まりによるなり手の減少、太陽光発電設備や半導体工場の新設などによるニーズの増加で人手不足となっている。結果として、電気主任技術者の中で相対的に賃金が安いビル管理人材は、特に大幅な人手不足になることが予想されている。
- 他方、ビル管理業務の効率化は進んでいない。理由は主に3点ある。1点目に、ビル管理業界の構造上、ビル管理関連ステークホルダーそれぞれにビル管理業務効率化に向けたインセンティブが働きにくいこと。2点目に、ビル管理業務におけるデジタル化の遅れ。3点目には、アナログ規制により、技術が進歩しても人の目による点検や立ち会いが必須とされる領域が残ってしまっている点が挙げられる。
- 野村総合研究所(NRI)は、ビル管理業務の効率化を実現するためには、①コミュニケーションのデジタル化、②BM+オーナー一体型の企業からの実績づくり、③業界全体への取り組み波及・ロビイング活動実施、が重要だと考えている。
- 上記のような構造改革はビル業界だけでなく他アセット・インフラのメンテナンス分野全体で取り組む必要がある。人手不足にいち早く直面し、かつ民間中心の業態であるビル業界には、他業界に先行してロールモデルを示す役割が期待されるのではないか。
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- 名前
- 小林 直弘
- 所属・職名
- エネルギー産業コンサルティング部 重電・エンジニアリング・建設ドメイン
シニアコンサルタント
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- 名前
- 藤村 武史
- 所属・職名
- 産業ビジネス開発部 アカウント事業推進グループ
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