CONTENTS
Ⅰ AIがもたらす水消費量の急増とわが国のポテンシャル
Ⅱ 潜在的な問題
Ⅲ 水資源を有効活用するための制度:先行事例
Ⅳ わが国で求められる取り組み
要約
- AI利用を要因とした、データセンターや半導体工場などにおける水消費が急増するといわれており、新たな社会問題として国際的に注目が高まっている。一方で、わが国においては、これをチャンスと捉える向きも多い。近年の国内半導体工場誘致成功は、水資源が豊富に存在していることが一つの要因となったともいわれる。
- しかし、一般的には豊富と考えられているわが国の水資源であるが、国際的な評価は必ずしもそのとおりであるとはいえない。また、ミクロの視点で見ると、水需要の急変にまつわる諸問題についての懸念が生まれている。たとえば、①水源やインフラへの局所的な過負荷、②土地取得者による水資源濫獲に対する懸念、③水不足地域と判定されることによる、日本企業のサステナビリティ評価の低下などがある。
- こうした問題・懸念を踏まえて、企業・民間・行政などがさまざまな取り組みを実施している。国内では、民間企業による取り組みの萌芽が見られる。海外に目を向けると、水資源量を保全するための制度・仕組みが整備されてきた。たとえばオーストラリアや米国カリフォルニア州、中国などでは、水資源を利用する権利を明確にし、それを取引する市場が成立・発達しつつある。
- わが国の水資源を将来も維持するためにも、また、企業のサステナビリティ評価を高めていくためにも、「わが国は水資源が豊富」という漠然とした意識に安住することなく、産官学による水資源保全の取り組みを実施することが求められる。たとえば、脱炭素の分野で検討・実行されてきた「経済的手法」は、公共の利益のために企業の行動を促す仕組みとして水分野でも有益であり、これを参考にした諸制度を整備すべきと考える。本稿では、水資源保全のために導入すべき仕組みについて提案する。
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- 名前
- 向井 肇
- 所属・職名
- エネルギー産業コンサルティング部
部長
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- 名前
- 中口 幸太
- 所属・職名
- エネルギー産業コンサルティング部
シニアコンサルタント
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- 名前
- 白神 遼太
- 所属・職名
- エネルギー産業コンサルティング部
コンサルタント
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