CONTENTS

Ⅰ はじめに
Ⅱ 各国の経済インテリジェンス活動について
Ⅲ 経済インテリジェンス活動をどのように設計するか
Ⅳ 補論─経済インテリジェンス活動の成果を活用するための組織体制の整備
Ⅴ おわりに

要約

  1. 競争環境が目まぐるしく変化する中で、各国政府・機関では、未来の基幹産業を生み出すために不確実性が高く、民間だけでは産業を育成することが難しい領域に対して戦略的に投資し、事業化を促進するさまざまな政策を打ち出している。このような政策を推進し、国際競争を勝ち抜くためには、さまざまな情報を収集・分析し、注力すべき技術・産業領域を抽出したうえで、これらに適した政策を立案・実行することが重要である。本稿では、この一連の活動を「経済インテリジェンス活動」と呼ぶ。
  2. 経済インテリジェンス活動においては、まず「目的」と事業化までの「時間軸」を明確化することが重要である。活動は、①「ユニバース構築」、②「スクリーニング」、③「施策の検討と実行」の3つのフェーズに分けられる。①では、ニーズ起点のアプローチにより、社会や市場の課題・需要から逆算して支援対象の候補となる領域を抽出する。②では、技術成熟度(TRL)と市場受容準備度(ARL)を用いて、事業化までの時間軸に応じた領域を絞り込むことが有効である。③では、抽出した産業・技術領域の事業化へ向けて、TRL向上施策とARL向上施策を組み合わせた「ポリシーミックス」が不可欠である。
  3. 日本の技術政策や産業政策は複数の省庁にまたがり、さらに各省庁内でも多様な課室がそれぞれの所掌領域の振興を担っている。経済インテリジェンス活動を効率的に推進し、その成果を産業政策に活用するためには、省庁の枠組みを横断した包括的な推進体制を構築することが重要である。

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執筆者情報

  • 本田 和大のポートレート
    名前
    本田 和大
    所属・職名
    イノベーション・フロンティア産業ドメイン
    シニアコンサルタント
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    名前
    西村 拓哉
    所属・職名
    イノベーション・フロンティア産業ドメイン
    シニアコンサルタント、博士(ソフトマター科学)
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    田中 友規
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