CONTENTS
Ⅰ 大学の主要な財源としてのスタートアップからの技術移転収入の可能性
	Ⅱ 対スタートアップでの技術移転の課題と、処方箋としての固定条件ライセンス制度
	Ⅲ 日本版固定条件ライセンス制度検討のポイント
	Ⅳ 今後、国内の大学において期待される固定条件ライセンス制度の展開
要約
- 近年、大学がイノベーション創出に寄与し、経済成長や社会課題解決に貢献することへの期待が高まっている。一方で、大学の主たる財源である政府による交付金は、今後、大きく増加する見込みはなく、大学は自ら外部資金を獲得する必要に迫られている。収入源の一つである技術移転収入は、現状では大学の収入全体に占める割合は小さいが、近年急増している大学発スタートアップへの技術移転を通して、新たな主要財源として確立できる可能性がある。
 - 大学発スタートアップへの技術移転の対価設定においては、株式等を用いることで、技術移転収入として大きなリターンを得る可能性を高められると考えられる。しかし、株式等を用いる技術移転交渉では特に、スタートアップの資本政策や事業モデルの複雑性、特許の価値評価の困難性によりスタートアップとの交渉が難航することが多い。その対応策の一つとして米国の一部の大学では「固定条件ライセンス制度」を導入している。「固定条件ライセンス制度」を活用することで、大学は個別交渉の人的・時間的コストを削減できるメリットがある。
 - 国内の大学においては、米国の仕組みをそのまま適用することは難しい。本稿では、国内の大学の事情を鑑みて「日本版固定条件ライセンス制度」について提案する。将来的には、より収益性の高い技術移転およびスタートアップが享受するメリットの増加の双方の実現を目指し、「アドバンスト版固定条件ライセンス制度」を取り入れることも期待される。
 
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 - 森谷 美祐
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 - 社会システムコンサルティング部
イノベーション・フロンティア産業ドメイン コンサルタント 
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 - 所属・職名
 - 社会システムコンサルティング部
イノベーション・フロンティア産業ドメイン シニアコンサルタント 
 
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