CONTENTS
Ⅰ はじめに
Ⅱ 2.0(アンビエント)段階の実現:プロセス自律化
Ⅲ 3.0(オラクル)段階への挑戦:政策共創とガバナンスの設計
Ⅳ まとめと今後の課題
要約
- 本稿は、AIを活用した行政サービスの進化を3つのフェーズで展望する。まず、AIが業務の裏側に溶け込み、住民が意識せずとも先回り支援を受けられる「アンビエント社会(2.0)」が到来する。これにより、住民は雑務から解放され、行政は定型業務を縮減し、対話や政策形成といった高付加価値業務へリソースを再配分できる。
- さらに、AIが政策・制度設計の選択肢を提示する「オラクル社会(3.0)」へと進化する。AIが複雑な課題に対して複数のシナリオをシミュレーションし、人間はAIとの対話を通じてその提案を吟味する。これにより、行政の意思決定サイクルは劇的に高速化し、データに基づいた質の高い政策形成が可能となる。
- この進化を実現するため、地方公共団体の組織も段階的に再編される。2.0段階では既存組織にデータ連携機能が付加され、3.0段階ではAIと協働するための組織体制として、AIの提案を政策言語に変換する〈翻訳機能〉、アルゴリズムを監査する〈ガバナンス機能〉、住民との合意を形成する〈信頼機能〉という3つの専門機能が不可欠となる。
- しかし、AIが政策立案に深く関与するようになるほど、そのリスクはより複雑かつ根源的なものとなる。〈「翻訳」機能〉の中立性、〈「ガバナンス」機能〉の独立性、〈「信頼」機能〉における参加の形骸化といった組織的課題に加え、AIへの過信が人間の批判的思考力を奪う問題や、AIスコアによる社会的排除といった人権侵害リスクにも向き合う必要がある。したがって、AIの能力を最大限に引き出すと同時に、そのリスクを統制する仕組みの設計が不可欠となる。
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プロフィール- 名前
- 毛利 一貴
- 所属・職名
- 社会システムコンサルティング部 地域共創DXドメイン
シニアプリンシパル
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- 名前
- 中島 雄仁
- 所属・職名
- 社会システムコンサルティング部
コンサルタント
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